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2話「完全に誤解ですが……」

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 ブルガリオンの母親は私を良く思っていないのかもしれない。

 もしそうだとしたら、魔力うんぬんの件は、彼女にとっては嬉しい話だっただろう。
 私をはねのけるそれらしい理由ができるから。
 もっとも、分かる人からすればおかしな話で、これまた無知を晒しているだけなのだけれど。

「お母様がそこまで仰るなら、承知しました。私は去ります」
「最初からそうしろよ」
「ではこれにて。……さようなら」

 こうして私たちの関係は終わった。

 でも仕方ない。
 この婚約破棄はやむを得ないことだ。

 ブルガリオン自身の気持ちだとしてもこちらの言葉で変えるのは難しいのだから、彼の母親の気持ちを変えることなどもっと難しいことは間違いない。こちらが努力して理解してもらおうとしたところで揉め事が大きくなるだけだろう。

 ならば関わらず立ち去るほうが効率的。

 悪い魔女などと雑な理解をされるのは不愉快だが、私は私の道を行くことを選ぶ。
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