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その言葉がわたしをこんな風にしたの
しおりを挟むガラスに映る自分の顔が
いつになく暗くて
ああこんな感じじゃ駄目だって
頭では思っても
顔にまで反映させられなくて
もう少し頑張ろうって
もっと前向きになろうって
思えば
思うほどに
心は深く沈んでいってしまうみたい
息もできないくらいの辛さが
涙の奥に滲む
あなたといた頃はこんなこと
なかったというのに
――婚約破棄
その言葉がわたしをこんな風にしたの
ガラスに映る自分の顔が
いつになく暗くて
ああこんな感じじゃ駄目だって
頭では思っても
顔にまで反映させられなくて
どうあがいても
辛いものは辛いでしょう
どうあがいても
悲しみは悲しみのままでしょう
重く
深く
どこかへ沈み込んでいってしまうみたい
この感覚はとても難しくて
どうやっても言葉にはできそうになくて
でも確かに
堕ちてゆく
沈みゆく
言葉にならないような重苦しさ
息もできないほど
――婚約破棄
その言葉がわたしをこんな風にしたの
ああ どうしてだろう
ああ どうしてこんなことに
何度考えたって無駄だと
もう過ぎたのだからと
分かってはいるのだけれど
それで思考が止まるわけではなく
腕を伸ばしても
もうあなたには届かない
いいえ
あなた以外にだって
何もかもに触れられないような
そんな気すらしてくるの
難しいのね
人間の心って
どうあがいても
辛いものは辛いのよ
どうあがいても
悲しみは悲しみのままなの
――婚約破棄
その言葉がわたしをこんな風にしたの
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