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後編

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「まさか君がそんな人だとは! 夢にも思わなかった! どうしても許せん、本当に、家族を侮辱するなど許せん! ……もういい。婚約は破棄だッ!!」

 こうしてわたしと彼の婚約は破棄となった。


 ◆


 あれから十五年。
 わたしはアンブラではない男性と結ばれた。

 今は二人のお金で建てた家で暮らしている。
 子どもは一人いて、夫婦仲はそこそこ良く、平和そのものだ。

 そういえば最近聞いた話だが。

 ダイアンは過激な使用人いじめが発覚したことにより社会的地位を失ったらしい。
 彼はこの世のすべてに対して憎しみを抱きながら、今は牢屋に入っているとのことだ。

 一方アンブラはというと、理不尽な婚約破棄をした男として有名になってしまい、誰も相手してくれないようになったとのことだ。
 また、弟が使用人に暴力をふるっていたということもあって、近所の人たちからは毎日のように悪口を言われているそうだ。

 可愛がっていた弟は犯罪者として牢に入れられた。親とは気まずい。道を歩けば皆に振り返ってみられ、さらにひそひそ話をされる。あることないこと悪口を言われる。

 そんな環境に耐えきれなくなり、ある夜ついに家出。

 以降、彼を見た者はいないらしい。


◆終わり◆
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