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女騎士編、緊縛と監禁。
突然のロープ
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~メタバース空間起動中。「これまでのあらすじ・現在の状況」のダウンロード中~
缶コーヒーを啜りながらしばらく思案していたリュウは、決心を固めた。リュウは飲み終えた缶コーヒーをベランダの床にそっと置き、周囲を見回して人影が無いことを確認すると、ベランダの手すりにひらりと上り、亜梨沙のベランダとの間の薄い間仕切りをかわして、亜梨沙の部屋のベランダに着地した。
リュウは亜梨沙の部屋の窓に手をかけ、そっと力を入れてみた。鍵がかかっていない。窓はすっ、と動いた。リュウは心臓が飛び出しそうなほど驚き逡巡したが、ベランダに佇み続けるのはまずい、とにかく中に入ろう、と考え、窓を開いてカーテンの隙間からするりと中に入り、窓をそっと閉めた。
部屋の中は灯りが消えていて暗いが、元々ベランダで夜の街を眺めていたため、すぐに目は慣れた。室内には誰もいない。しかし居室とダイニングを仕切るドアの隙間から灯りが漏れている。ダイニングの灯りがついているらしい。リュウは居室を静かに横切り、ダイニングに通じるドアをそっと開いてみた。
すると風呂上がりの亜梨沙が、全裸で胡座をかいてダイニングチェアに座っていた。リュウが先程廊下を歩いて亜梨沙の部屋の前を通り過ぎた際に中が真っ暗に思えたのは、ダイニングの灯りを消して浴室に入っていたためなのだった。
リュウは亜梨沙の裸を斜め後ろから見た。ドライヤーを持って腕を上に上げているので、横パイがよく見える。リュウはごくり、と唾を飲み込んだ。
~メタバース空間起動完了。「これまでのあらすじ・現在の状況」のダウンロード完了。ここからリアルタイム。~
リュウはつかつかと歩いて亜梨沙の後ろに回り込んだ。そして右腕を亜梨沙の首に回して捕まえ、左手で亜梨沙の口を押さえた。
亜梨沙は驚いた表情を浮かべたが、じっとして動かない。
「じっとしててくれ。危害は加えないから。わかった?」リュウは言った。
「…」亜梨沙がゆっくりと頷くので、リュウは亜梨沙の口から左手を離した。
「悪いけど、しばらく拘束させてもらう。立って。」リュウは亜梨沙をイスから立ち上がらせと、亜梨沙を促して居室まで歩かせた。右手は亜梨沙の首に回したままだ。
居室に入ると、リュウは亜梨沙を、少し乱暴にソファに座らさせた。ソファに座ると、ダイニングから漏れてくる灯りがあたり、亜梨沙のボディラインを浮かび上がらせた。ダイニングから漏れる灯りが当たるのはソファのあたりだけなので、亜梨沙からはリュウの顔は暗くて見えない。
「少しの間だけ、縛るから。」リュウが静かに言い渡すと、亜梨沙はこくっ、と頷いた。リュウはロープを持った。
「なんで俺はロープを持ってるんだろう?」深層心理の中でリュウは思った。このロープは実在しない。メタバース空間がプレーヤーの認知を上書きして存在させているものだ。
缶コーヒーを啜りながらしばらく思案していたリュウは、決心を固めた。リュウは飲み終えた缶コーヒーをベランダの床にそっと置き、周囲を見回して人影が無いことを確認すると、ベランダの手すりにひらりと上り、亜梨沙のベランダとの間の薄い間仕切りをかわして、亜梨沙の部屋のベランダに着地した。
リュウは亜梨沙の部屋の窓に手をかけ、そっと力を入れてみた。鍵がかかっていない。窓はすっ、と動いた。リュウは心臓が飛び出しそうなほど驚き逡巡したが、ベランダに佇み続けるのはまずい、とにかく中に入ろう、と考え、窓を開いてカーテンの隙間からするりと中に入り、窓をそっと閉めた。
部屋の中は灯りが消えていて暗いが、元々ベランダで夜の街を眺めていたため、すぐに目は慣れた。室内には誰もいない。しかし居室とダイニングを仕切るドアの隙間から灯りが漏れている。ダイニングの灯りがついているらしい。リュウは居室を静かに横切り、ダイニングに通じるドアをそっと開いてみた。
すると風呂上がりの亜梨沙が、全裸で胡座をかいてダイニングチェアに座っていた。リュウが先程廊下を歩いて亜梨沙の部屋の前を通り過ぎた際に中が真っ暗に思えたのは、ダイニングの灯りを消して浴室に入っていたためなのだった。
リュウは亜梨沙の裸を斜め後ろから見た。ドライヤーを持って腕を上に上げているので、横パイがよく見える。リュウはごくり、と唾を飲み込んだ。
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リュウはつかつかと歩いて亜梨沙の後ろに回り込んだ。そして右腕を亜梨沙の首に回して捕まえ、左手で亜梨沙の口を押さえた。
亜梨沙は驚いた表情を浮かべたが、じっとして動かない。
「じっとしててくれ。危害は加えないから。わかった?」リュウは言った。
「…」亜梨沙がゆっくりと頷くので、リュウは亜梨沙の口から左手を離した。
「悪いけど、しばらく拘束させてもらう。立って。」リュウは亜梨沙をイスから立ち上がらせと、亜梨沙を促して居室まで歩かせた。右手は亜梨沙の首に回したままだ。
居室に入ると、リュウは亜梨沙を、少し乱暴にソファに座らさせた。ソファに座ると、ダイニングから漏れてくる灯りがあたり、亜梨沙のボディラインを浮かび上がらせた。ダイニングから漏れる灯りが当たるのはソファのあたりだけなので、亜梨沙からはリュウの顔は暗くて見えない。
「少しの間だけ、縛るから。」リュウが静かに言い渡すと、亜梨沙はこくっ、と頷いた。リュウはロープを持った。
「なんで俺はロープを持ってるんだろう?」深層心理の中でリュウは思った。このロープは実在しない。メタバース空間がプレーヤーの認知を上書きして存在させているものだ。
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