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女騎士編
心当たりありませんから!
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リュウが亜梨沙と知り合ったのは、リュウが大学1年で、まだ四畳半の安アパート「大下宿館」に暮らしていた頃のことだ。
前回知り合った女子とは疎遠になり、リュウは出会いを求めて伝言ダイヤルにメッセージを入れた。リュウが吹き込むメッセージには何パターンかあるが、この時は普通のメッセージを入れた。明るく爽やかに挨拶し、大学生であることなどを自己紹介し、関心を持ってくれたら直接電話くださいと伝え、電話番号を吹き込んで終えるパターンである。電話番号を入れるのはリスクもあるのだが、伝言のやりとりを繰り返すとサービス使用料がとんでも無いことになるので、リュウはこの方式をとっていた。
最初に入れたメッセージに全く反応が無かったため、3日ほど経ってリュウはもう一度メッセージを入れてみようと伝言ダイヤルサービスに電話をかけた。するとシステムは、1件のメッセージがあるという。リュウが再生してみると、次のような内容だった。
「こんにちは。亜梨沙といいます。あなたのメッセージを聞きました。
あたしは19歳で、専門学校に通っています。2年生です。
一人暮らしをしてて、夜とかちょっと寂しいです。よかったら電話してください。
電話番号は、xxxxxxxxです。」
「いたずらかな?」そう思いつつも、リュウは一応電話番号をプッシュしてみた。存在しない番号や、全然関係ない人や店の番号の可能性もあるので、リュウは少し緊張した。プルルルル。とりあえず呼び出し音は鳴り、ややあってガチャリ。電話が繋がった。
「もしもし。」若い女が電話に出た。いたずらではなくちゃんとしたメッセージだったのか。
「あの。亜梨沙さんですか?」リュウは尋ねた。
「はい。そうですが?」本人だ!リュウは喜んだ。
「えーっと。伝言ありがとう。それで電話してみたんだけど。」
「はいっ?」亜梨沙は不審そうな返答をした。
「えっ、あの、伝言ダイヤルに俺が入れたメッセージに、メッセージを入れてくれたよね?」
「は?なんの話ですか?」
「あのー、伝言ダイヤルっていうのがあって。」
「はい。」
「女の子と出会いたい男がメッセージを入れられるんだけど。」
「はぁ。」
「それで、聞いてくれた女の子がメッセージとか入れてくれるんだけど。」
「はぁ。」
「俺の入れたメッセージに、メッセージ入れてくれたよね?」
「入れてないですけど。」
「えーっ…。19歳で、専門学校の2年生なんでしょ?」
「何で知ってるんですか!?」
「だって、メッセージ入れてくれたじゃん」
「入れてません!」
「一人暮らししてるんでしょ?」
「何でそんなことまで知ってるんですか!」
「それで、夜とか寂しい、って」
「ちょ、電話切りますよ!」
亜梨沙は少し怒ったように言ったが、電話は切らないのだった。
前回知り合った女子とは疎遠になり、リュウは出会いを求めて伝言ダイヤルにメッセージを入れた。リュウが吹き込むメッセージには何パターンかあるが、この時は普通のメッセージを入れた。明るく爽やかに挨拶し、大学生であることなどを自己紹介し、関心を持ってくれたら直接電話くださいと伝え、電話番号を吹き込んで終えるパターンである。電話番号を入れるのはリスクもあるのだが、伝言のやりとりを繰り返すとサービス使用料がとんでも無いことになるので、リュウはこの方式をとっていた。
最初に入れたメッセージに全く反応が無かったため、3日ほど経ってリュウはもう一度メッセージを入れてみようと伝言ダイヤルサービスに電話をかけた。するとシステムは、1件のメッセージがあるという。リュウが再生してみると、次のような内容だった。
「こんにちは。亜梨沙といいます。あなたのメッセージを聞きました。
あたしは19歳で、専門学校に通っています。2年生です。
一人暮らしをしてて、夜とかちょっと寂しいです。よかったら電話してください。
電話番号は、xxxxxxxxです。」
「いたずらかな?」そう思いつつも、リュウは一応電話番号をプッシュしてみた。存在しない番号や、全然関係ない人や店の番号の可能性もあるので、リュウは少し緊張した。プルルルル。とりあえず呼び出し音は鳴り、ややあってガチャリ。電話が繋がった。
「もしもし。」若い女が電話に出た。いたずらではなくちゃんとしたメッセージだったのか。
「あの。亜梨沙さんですか?」リュウは尋ねた。
「はい。そうですが?」本人だ!リュウは喜んだ。
「えーっと。伝言ありがとう。それで電話してみたんだけど。」
「はいっ?」亜梨沙は不審そうな返答をした。
「えっ、あの、伝言ダイヤルに俺が入れたメッセージに、メッセージを入れてくれたよね?」
「は?なんの話ですか?」
「あのー、伝言ダイヤルっていうのがあって。」
「はい。」
「女の子と出会いたい男がメッセージを入れられるんだけど。」
「はぁ。」
「それで、聞いてくれた女の子がメッセージとか入れてくれるんだけど。」
「はぁ。」
「俺の入れたメッセージに、メッセージ入れてくれたよね?」
「入れてないですけど。」
「えーっ…。19歳で、専門学校の2年生なんでしょ?」
「何で知ってるんですか!?」
「だって、メッセージ入れてくれたじゃん」
「入れてません!」
「一人暮らししてるんでしょ?」
「何でそんなことまで知ってるんですか!」
「それで、夜とか寂しい、って」
「ちょ、電話切りますよ!」
亜梨沙は少し怒ったように言ったが、電話は切らないのだった。
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