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伝言ダイヤル変態メッセージ編。百合。
罵詈雑言
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電話がけたたましく鳴り響き、リュウはビクッとして固まり、電話器を振り返った。電話は留守番電話モードにセットしてある。
「もしもし。」これはリュウの録音メッセージだ。リュウは敢えてこのようなひっかけ的なメッセージを留守電に設定している。このメッセージなら相手はつい一言二言喋ってしまうので、誰からの電話なのか見当がつく。まだ発信者番号通知やナンバーディスプレイがなかった時代である。
「もしも~し。」知らない男からの電話である。敵意を感じさせる調子だ。
「ピー。」留守電の録音開始音が鳴った。
「チッ。留守電かよ…。」男が舌打ちをした。
「まぁいいや…。おい。お前のメッセージを聞いたぞ。」
男はどうやらリュウが伝言ダイヤルに吹き込んだメッセージを聞いたらしい。女性向けのチャンネルにかけて男性からのメッセージを聞くとは物好きな男である。なおリュウが男性から電話を受けたのは、後にも先にもこの一度きりである。
リュウがメッセージを吹き込んだのは前日の午後である。まだメッセージリストから押し出されず、最後の方に残っていて、男はそれを聞いたようだ。リュウと百合は、男が留守電に悪態をつくのを黙って聞いた。
「気色悪いメッセージ入れやがって。」
「何考えてんのか、理解できねえわ。」
「頭おかしいんじゃねえの。」
「お前絶対モテないやつだろ。」
「ぜってぇキモブタ野郎だな。」男は罵詈雑言を留守電に放ち続けた。
ちなみにリュウは顔はいい。特に同性からそう言われることが多い。身長は173センチと高い方ではないが、顔が小さいわりに肩幅が広いので高そうに見える。体型は痩せ型だ。
「こんなん聞いて電話してくる女なんて、ぜっっっっってぇいないだろ。」
「もしいたら、その女も頭おかしいだろ。」
百合は立派な看護婦である。
「いてもブスのデブだけだろ、そんなん。気持ち悪い女に決まってるわ。」
百合は結構可愛い顔である。そして、体型は普通なのに胸はCカップある。
「そんでババァだな。」
百合は21歳である。
「欲求不満の変態女に決まってるわ。」
「淫乱女しかいねーわ。」
「ぜっっっってぇそんな女、俺は相手しねぇわ。」
「じゃあな。クズ。馬鹿野郎が。」散々言って、男はやっと電話を切った。
男にボロクソに言われても、リュウは不思議に腹が立たなかった。男がザマァと思うような結果になったことはないし、今日もなっていないのである。
リュウは男に申し訳ないとさえ思った。同性からすれば気持ち悪いことこの上ない変態メッセージであるが、実際には女の子からの好意的な電話が多いし、今日会っている百合は若くて可愛い女の子である。
「男よ。」リュウは心の中で呟いた。「すまん。悪いが俺は今日、お前の一歩先へ行く。」
「もしもし。」これはリュウの録音メッセージだ。リュウは敢えてこのようなひっかけ的なメッセージを留守電に設定している。このメッセージなら相手はつい一言二言喋ってしまうので、誰からの電話なのか見当がつく。まだ発信者番号通知やナンバーディスプレイがなかった時代である。
「もしも~し。」知らない男からの電話である。敵意を感じさせる調子だ。
「ピー。」留守電の録音開始音が鳴った。
「チッ。留守電かよ…。」男が舌打ちをした。
「まぁいいや…。おい。お前のメッセージを聞いたぞ。」
男はどうやらリュウが伝言ダイヤルに吹き込んだメッセージを聞いたらしい。女性向けのチャンネルにかけて男性からのメッセージを聞くとは物好きな男である。なおリュウが男性から電話を受けたのは、後にも先にもこの一度きりである。
リュウがメッセージを吹き込んだのは前日の午後である。まだメッセージリストから押し出されず、最後の方に残っていて、男はそれを聞いたようだ。リュウと百合は、男が留守電に悪態をつくのを黙って聞いた。
「気色悪いメッセージ入れやがって。」
「何考えてんのか、理解できねえわ。」
「頭おかしいんじゃねえの。」
「お前絶対モテないやつだろ。」
「ぜってぇキモブタ野郎だな。」男は罵詈雑言を留守電に放ち続けた。
ちなみにリュウは顔はいい。特に同性からそう言われることが多い。身長は173センチと高い方ではないが、顔が小さいわりに肩幅が広いので高そうに見える。体型は痩せ型だ。
「こんなん聞いて電話してくる女なんて、ぜっっっっってぇいないだろ。」
「もしいたら、その女も頭おかしいだろ。」
百合は立派な看護婦である。
「いてもブスのデブだけだろ、そんなん。気持ち悪い女に決まってるわ。」
百合は結構可愛い顔である。そして、体型は普通なのに胸はCカップある。
「そんでババァだな。」
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「欲求不満の変態女に決まってるわ。」
「淫乱女しかいねーわ。」
「ぜっっっってぇそんな女、俺は相手しねぇわ。」
「じゃあな。クズ。馬鹿野郎が。」散々言って、男はやっと電話を切った。
男にボロクソに言われても、リュウは不思議に腹が立たなかった。男がザマァと思うような結果になったことはないし、今日もなっていないのである。
リュウは男に申し訳ないとさえ思った。同性からすれば気持ち悪いことこの上ない変態メッセージであるが、実際には女の子からの好意的な電話が多いし、今日会っている百合は若くて可愛い女の子である。
「男よ。」リュウは心の中で呟いた。「すまん。悪いが俺は今日、お前の一歩先へ行く。」
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