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メス高定期試験対策・中間編。二美と三里と四織

普通で、とても真面目

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リュウはキッチンに立った。といっても流しやコンロ台があるだけで実質廊下にすぎない空間だが。

リュウの部屋は靴を脱いで上がると、右手に洗濯機、流し、コンロ台が並んでいる。左手にはバスルーム、トイレが並んでいる。トイレはとバスルームはそれぞれ独立しており、またバスルームには体を洗うスペースがちゃんとある。バスルームのドアは、すりガラスっぽい透明のプラスチックが嵌め込まれたタイプである。

リュウが4人分のコーヒーを用意していると、二美ふみが来て運ぶのを手伝ってくれた。

「あ、ありがとうございます。いただきます。」三里みさとがペコリと頭を下げ、コーヒーをすする。相変わらず緊張した様子である。

「ありがと~、お兄さんっ。」四織が馴れ馴れしく礼を言う。

二人は部屋の中をきょろきょろと物珍しげに眺め回したり、二人で話したりしていても、リュウが会話のため二美を見ると途端にリュウをガン見してくるのであった。

リュウは二人とも会話し、二人を観察した。三里は地味で、髪は短めでおかっぱっぽい。男と付き合ったことは無さそうな雰囲気である。

四織は懐っこく、やたらリュウを「お兄さん、お兄さん」と連呼する。髪はやや長めだ。ニコニコしていて明るい雰囲気で、三里のような子どもっぽい雰囲気ではなく、男と付き合ったことぐらいはありそうな雰囲気である。ただ友達と一緒とはいえ男の部屋に泊まりに来るくらいだから、今は彼氏はいないのかもしれない。

二美も三里も四織も、みんな本当にフツーである。顔もフツー。みんなBカップくらいの胸をプクッとさせている。お尻もフツーにプリッっとしている。足も細からず太からずでフツー。

中学生や高校生の頃、クラスの女子で可愛いと思う子は一人か二人しかいなかった、そんな記憶はないだろうか。残りの女子などは、ほとんど記憶にも残っていないのではないだろうか。

3人とも、そういう「残りの女子」である。男子から告白したりはしないが、バレンタインにチョコをくれ付き合ってと言われたら、特に断る理由はないけど…という女子たちだ。

「本格的な勉強は明日からだろうけど、とりあえず夜まで2時間くらいはやろっか。」リュウはパンっと音を立てて手を合わせ、3人に勉強を始めさせた。

3人は英語の教科書を取り出してテーブルに広げた。リュウは3人に順番に一文ずつ読ませ、日本語に訳させた。日本語に訳させると、単語、イディオム、構文に対する理解がよくわかる。理解していないなと判断した部分を解説すると、3人はふむふむとうなずき、熱心に教科書に書き込んだりノートにメモを書いたりしている。

みんな真面目である。メス高は生徒の生活指導に熱心な学校だ。金髪・茶髪は禁止。スカートは膝丈。この当時流行っていたルーズソックスも禁止だ。2ヶ月に一度、頭髪・身だしなみ検査があり、指導は徹底されている。そもそもメス高の就職実績や各種検定の合格率の高さを支持して毎年生徒が入学してくるので、もともと真面目な子が多いのだ。

また例年多数の求人が学校に来るが、各企業には求人数というものがある。当然学校は、人気企業には成績が良い生徒を優先的に推薦しようとする。なので就職希望のメス高生たちは良い成績を取りたいのである。
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