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優見18歳。恥ずかしいカッコウをアパートの管理人さんに見られたい。
ここで伝言ダイヤルについて説明しなければならない
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ここで伝言ダイヤルという電話サービスについて説明しなければならないだろう。この無防備系女子、路地浦優見と知り合ったのも、伝言ダイヤルを通じてであるからだ。
伝言ダイヤルはいわゆる「Q2ダイヤル」をベースにしたサービスの一つである。Q2ダイヤルでは、まず事業者がサービスを行っている電話番号に電話をかける。電話をかけると最初に「このサービスは10秒毎に20円の料金がかかります」といった告知が流れ、そのまま待っているとサービスに接続される、という仕組みになっている。
料金は電話料金と一緒にNTTが請求する。なので、業者は簡単に課金システムを実現することができ、またサービス利用料を確実に回収することができる。というわけで、1990年代に多くのサービスがこのシステム上に栄えたのだった。
Q2ダイヤル上のサービスとしては、やはりアダルトものが圧倒的に多かった。人気があったのは「ツーショットダイヤル」だ。これはサービスに接続後、まずは待たねばならない。やがて、駅前で配っているティッシュなどを見た女の子がシステムに電話をかけて来る。女の子の通話料はフリーダイヤルで無料だ。女の子がサービスに接続すると、その回線は順番待ちをしている男性利用者に順次割り当てられる。ついに自分の番が来たら、女の子と会話を楽しみ、デートの約束を取り付けるべく一生懸命口説くというシステムである。
しかしツーショットダイヤルは、待ち時間が長くその間もバンバン課金されていくため大変金がかかる。またいわゆる「サクラ」つまり素人を装っているが実際はバイトでかけてきている女の子が多く、不毛なものが多かった。リュウはこのサービスを全く使用しない。
リュウが好んで使用しているのは、「伝言ダイヤル」と呼ばれるサービスである。このシステムでは、男性も女性もそれぞれメッセージを電話で吹き込む。男性は女性のメッセージを新着順から聞いて行って、気に入った女の子がいればそのメッセージに対してメッセージを入れることができる。逆もまた同様だ。メッセージを吹き込む際には4桁の暗証番号を設定する。後ほど再度システムに接続し、暗証番号を入力すると、自分宛にメッセージが入っていれば再生して聞くことができるし、返信を行うことも可能、というシステムになっている。
もちろんこの伝言ダイヤルも、アルバイトのサクラを使っているサービスは少なくなかった。しかしリュウの使っているサービスは、数少ないいわゆるガチモンである。冷やかしのイタズラはさすがに混じるが、少なくともサクラと思われる女性利用者は見かけない。広告も雑誌広告のみに絞っており、コストを抑えているようだ。広告の出稿先としては、少女向けのちょっと安っぽい雑誌や、この頃増え始めていたいわゆる「レディースコミック」、つまり女性向けのエロ漫画雑誌などが中心であるようだ。リュウがこのサービスを知ったのも、偶然女性誌を通じてである。リュウの知る限り、男性向けの広告は見かけたことが無い。このため、女の子と実際に会える確率が非常に高いのであった。
伝言ダイヤルにはツーショットダイヤルのような接続待ちの無駄な時間が無く、学生で金が無いリュウには都合の良いシステムであった。とはいえ、女の子のメッセージをずーっと再生したり、自分宛のメッセージが届いていないか何度もシステムに接続したり、女の子とメッセージのピンポンを続けたりすると、やはりかなりの費用がかかってしまう。
そのことをすぐに学習したリュウは、システムを次のように利用している。1、女の子が吹き込むメッセージは聞かない。2、自分のメッセージを女の子向けのチャネルに吹き込み、関心を持ってくれた女の子からのコンタクトを待つ。3、メッセージを入れる際は自分の電話番号も入れておき、伝言ダイヤルのメッセージではなく直接電話をかけてもらう。この方式であれば、Q2ダイヤル課金対象になるのはシステムに自己紹介メッセージを吹き込むときだけであるので、利用料金を最小限にすることが可能になる。
ただ女の子向け自己紹介メッセージは新着順で再生されるため、2日もたつと埋もれて聞いてもらえなくなる。このため女の子からのコンタクトをゲットするためには、マメにメッセージを入れ直すか、あるいは確実にコンタクトを得られるような効果的なメッセージングが必要ではある。超有名大学に通う、金は無いが戦略はあるリュウが選んだのは、無論後者である。そのようなメッセージングにはいくつかのパターンがある。
それにしても、インターネッツが普及した今日であれば、こんなことをしていたらすぐに、録音されたメッセージと電話番号が全世界に晒されてしまうだろう。まだインターネッツが無い時代ならではの、良きシステムであったといえる。
伝言ダイヤルはいわゆる「Q2ダイヤル」をベースにしたサービスの一つである。Q2ダイヤルでは、まず事業者がサービスを行っている電話番号に電話をかける。電話をかけると最初に「このサービスは10秒毎に20円の料金がかかります」といった告知が流れ、そのまま待っているとサービスに接続される、という仕組みになっている。
料金は電話料金と一緒にNTTが請求する。なので、業者は簡単に課金システムを実現することができ、またサービス利用料を確実に回収することができる。というわけで、1990年代に多くのサービスがこのシステム上に栄えたのだった。
Q2ダイヤル上のサービスとしては、やはりアダルトものが圧倒的に多かった。人気があったのは「ツーショットダイヤル」だ。これはサービスに接続後、まずは待たねばならない。やがて、駅前で配っているティッシュなどを見た女の子がシステムに電話をかけて来る。女の子の通話料はフリーダイヤルで無料だ。女の子がサービスに接続すると、その回線は順番待ちをしている男性利用者に順次割り当てられる。ついに自分の番が来たら、女の子と会話を楽しみ、デートの約束を取り付けるべく一生懸命口説くというシステムである。
しかしツーショットダイヤルは、待ち時間が長くその間もバンバン課金されていくため大変金がかかる。またいわゆる「サクラ」つまり素人を装っているが実際はバイトでかけてきている女の子が多く、不毛なものが多かった。リュウはこのサービスを全く使用しない。
リュウが好んで使用しているのは、「伝言ダイヤル」と呼ばれるサービスである。このシステムでは、男性も女性もそれぞれメッセージを電話で吹き込む。男性は女性のメッセージを新着順から聞いて行って、気に入った女の子がいればそのメッセージに対してメッセージを入れることができる。逆もまた同様だ。メッセージを吹き込む際には4桁の暗証番号を設定する。後ほど再度システムに接続し、暗証番号を入力すると、自分宛にメッセージが入っていれば再生して聞くことができるし、返信を行うことも可能、というシステムになっている。
もちろんこの伝言ダイヤルも、アルバイトのサクラを使っているサービスは少なくなかった。しかしリュウの使っているサービスは、数少ないいわゆるガチモンである。冷やかしのイタズラはさすがに混じるが、少なくともサクラと思われる女性利用者は見かけない。広告も雑誌広告のみに絞っており、コストを抑えているようだ。広告の出稿先としては、少女向けのちょっと安っぽい雑誌や、この頃増え始めていたいわゆる「レディースコミック」、つまり女性向けのエロ漫画雑誌などが中心であるようだ。リュウがこのサービスを知ったのも、偶然女性誌を通じてである。リュウの知る限り、男性向けの広告は見かけたことが無い。このため、女の子と実際に会える確率が非常に高いのであった。
伝言ダイヤルにはツーショットダイヤルのような接続待ちの無駄な時間が無く、学生で金が無いリュウには都合の良いシステムであった。とはいえ、女の子のメッセージをずーっと再生したり、自分宛のメッセージが届いていないか何度もシステムに接続したり、女の子とメッセージのピンポンを続けたりすると、やはりかなりの費用がかかってしまう。
そのことをすぐに学習したリュウは、システムを次のように利用している。1、女の子が吹き込むメッセージは聞かない。2、自分のメッセージを女の子向けのチャネルに吹き込み、関心を持ってくれた女の子からのコンタクトを待つ。3、メッセージを入れる際は自分の電話番号も入れておき、伝言ダイヤルのメッセージではなく直接電話をかけてもらう。この方式であれば、Q2ダイヤル課金対象になるのはシステムに自己紹介メッセージを吹き込むときだけであるので、利用料金を最小限にすることが可能になる。
ただ女の子向け自己紹介メッセージは新着順で再生されるため、2日もたつと埋もれて聞いてもらえなくなる。このため女の子からのコンタクトをゲットするためには、マメにメッセージを入れ直すか、あるいは確実にコンタクトを得られるような効果的なメッセージングが必要ではある。超有名大学に通う、金は無いが戦略はあるリュウが選んだのは、無論後者である。そのようなメッセージングにはいくつかのパターンがある。
それにしても、インターネッツが普及した今日であれば、こんなことをしていたらすぐに、録音されたメッセージと電話番号が全世界に晒されてしまうだろう。まだインターネッツが無い時代ならではの、良きシステムであったといえる。
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