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効率
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「どう?使えそうか?」
オレが問いかけるとはっきりと返答が聞こえてきた。
『効率は悪くなるようですが、使えないわけではなさそうです』
そうか。一応使えるのか。
「効率はどうなっている?」
そこを含めて考えたいからね。同じく効率が悪いでも九割、一割と差が出てくるからチェックしておかないとのだ。
『そちらを百パーセントとするならば、六十五パーセントといったところでしょうか。微妙な数値だと思われます』
同じ魔力で魔法を使っても、あっちだと威力なんかが三十五パーセント減。同じ威力にしたいのなら、それを考えなければならないというわけですか。面倒くさい。
「魔力は回復できる?」
効率の次に大切なこと。もしかしたら、どちらが大切とは順位がつけられない物かもしれない。
打つだけ打って回復できないとかどこのクソゲーじゃ、って話。
『うーん……そちらはものすごく効率が良くないです。百回復するところを、こちらだと同じ時間で一くらいです』
ふむ……。と、なるとオレが仮に魔力を使い切ったとしたら回復するまでにこちらの百倍くらいかかるということか。不便だね。
魔力という存在が地球にもあるのなら地球で魔法が発展していてもおかしくないと考えていたけど、回復効率が悪いことで発展に至らなかったのかな。
地球には科学という魔法とは反対の位置にいるものがあるんだからね。
「なるほどねぇ……うん、帰っておいで」
第一回地球実験は終了。これで帰ってくることができたら一回目は成功だ。
ネーミングセンスがないなんて言わないでね。少なからず自分でも気づいているから。
『了解です』
「さて……」
一度やってみてわかったことだけど、一回で莫大な量の魔力をしようする。オレの総魔力量の二割といったところか。
使い魔を送るだけでこの量か……。三十人と少しを送るとなるとオレが魔力使い果たしちゃうよ。
「召喚」
送り出す際には転送、帰ってくるときは召喚と唱えれば良い。
『主様ー!ただ今帰りました』
「おかえりなさい」
小さな魔法陣が現れてその中から少年とも少女とも言えない中性的な顔立ちの妖精が現れた。
これがオレの送り出していた使い魔で、魔法に関しては素晴らしい才能を持つ使い魔である。
「主様はあげないんだけど」
羽妖精はフワリとオレの手のひらまで飛んできて、着地した。
そしてオレの指に頬ずりする羽妖精を見てテオドールが羽妖精をオレの手のひらから話そうとする。
羽妖精は挑発的にテオドールを見つめて言ったのだった。
『何を言っているのですか?テオドールのものではないでしょう』
「そうだけど、ボクのほうが先輩だもんね」
『それでどうしてあげないという発想に至るのですか。よくわかりません』
「ふん……」
お互いにプイっとそっぽを向いてしまった。
やれやれ、この二人は仲悪いんですかね。ずっとこんな調子なんだけど。
自由なテオドールと真面目で堅物な羽妖精は正反対だもんな。ベタベタと仲良くしろとは言わないけど、もう少し仲良くしてくれないかな。
『ん……?』
「どうかしたか?」
『背中がムズムズするんですけど……』
「背中?」
羽妖精がそううったえてきたため、羽妖精の背中の羽あたりをよく見ると、あるものが付着していた。
……面白い。
「桜の花びらだ」
『サクラ?なんですか、それ』
どうしてかはわからないが桜の花びらが一枚ついていたのだ。うーん……オレが召喚したのは羽妖精で桜の花びらは召喚していないんだけどな……。なんでだろか。
「考えられる可能性としては……」
羽妖精に付着していたことで羽妖精の一部として考えられて一緒にこちらへ来てしまった。他には羽妖精に付着していたというだけで、つまりは触れているだけで一緒に来てしまうということ。
この二つが可能性大だろう。
「うん。また明日だね」
今日で総魔力量の四割ほどを使ってしまった。回復するまでに数時間かかるため今日中には回復しないのだ。
明日はまた羽妖精を転送して地球でいろいろなことをやってきてもらおう。
今日は魔力に関して調べてきてもらったけど、明日は日付とか調べられたらいいな。
日付が調べられたらこちらで何年立つと地球で何年立つかがわかり、計算ではじき出すことができる。
『はい!』
日付を調べてきてもらうには数字を覚えてもらわないとだよな。覚えられなくてもどれが日付を表すものか理解をしてもらわないとな。
「マオ兄、ご飯だよー」
「わかった、今行くー」
もうそんな時間か。
『はい!』
「ご飯何かなー」
この発言からわかる通りテオドールって普通のご飯食べるんだよね。羽妖精は魔力がご飯って言っていたから、テオドールが普通じゃないのかな。
前にテオドールが普通じゃないってクラディアらへんが言っていたような気がする。
オレが問いかけるとはっきりと返答が聞こえてきた。
『効率は悪くなるようですが、使えないわけではなさそうです』
そうか。一応使えるのか。
「効率はどうなっている?」
そこを含めて考えたいからね。同じく効率が悪いでも九割、一割と差が出てくるからチェックしておかないとのだ。
『そちらを百パーセントとするならば、六十五パーセントといったところでしょうか。微妙な数値だと思われます』
同じ魔力で魔法を使っても、あっちだと威力なんかが三十五パーセント減。同じ威力にしたいのなら、それを考えなければならないというわけですか。面倒くさい。
「魔力は回復できる?」
効率の次に大切なこと。もしかしたら、どちらが大切とは順位がつけられない物かもしれない。
打つだけ打って回復できないとかどこのクソゲーじゃ、って話。
『うーん……そちらはものすごく効率が良くないです。百回復するところを、こちらだと同じ時間で一くらいです』
ふむ……。と、なるとオレが仮に魔力を使い切ったとしたら回復するまでにこちらの百倍くらいかかるということか。不便だね。
魔力という存在が地球にもあるのなら地球で魔法が発展していてもおかしくないと考えていたけど、回復効率が悪いことで発展に至らなかったのかな。
地球には科学という魔法とは反対の位置にいるものがあるんだからね。
「なるほどねぇ……うん、帰っておいで」
第一回地球実験は終了。これで帰ってくることができたら一回目は成功だ。
ネーミングセンスがないなんて言わないでね。少なからず自分でも気づいているから。
『了解です』
「さて……」
一度やってみてわかったことだけど、一回で莫大な量の魔力をしようする。オレの総魔力量の二割といったところか。
使い魔を送るだけでこの量か……。三十人と少しを送るとなるとオレが魔力使い果たしちゃうよ。
「召喚」
送り出す際には転送、帰ってくるときは召喚と唱えれば良い。
『主様ー!ただ今帰りました』
「おかえりなさい」
小さな魔法陣が現れてその中から少年とも少女とも言えない中性的な顔立ちの妖精が現れた。
これがオレの送り出していた使い魔で、魔法に関しては素晴らしい才能を持つ使い魔である。
「主様はあげないんだけど」
羽妖精はフワリとオレの手のひらまで飛んできて、着地した。
そしてオレの指に頬ずりする羽妖精を見てテオドールが羽妖精をオレの手のひらから話そうとする。
羽妖精は挑発的にテオドールを見つめて言ったのだった。
『何を言っているのですか?テオドールのものではないでしょう』
「そうだけど、ボクのほうが先輩だもんね」
『それでどうしてあげないという発想に至るのですか。よくわかりません』
「ふん……」
お互いにプイっとそっぽを向いてしまった。
やれやれ、この二人は仲悪いんですかね。ずっとこんな調子なんだけど。
自由なテオドールと真面目で堅物な羽妖精は正反対だもんな。ベタベタと仲良くしろとは言わないけど、もう少し仲良くしてくれないかな。
『ん……?』
「どうかしたか?」
『背中がムズムズするんですけど……』
「背中?」
羽妖精がそううったえてきたため、羽妖精の背中の羽あたりをよく見ると、あるものが付着していた。
……面白い。
「桜の花びらだ」
『サクラ?なんですか、それ』
どうしてかはわからないが桜の花びらが一枚ついていたのだ。うーん……オレが召喚したのは羽妖精で桜の花びらは召喚していないんだけどな……。なんでだろか。
「考えられる可能性としては……」
羽妖精に付着していたことで羽妖精の一部として考えられて一緒にこちらへ来てしまった。他には羽妖精に付着していたというだけで、つまりは触れているだけで一緒に来てしまうということ。
この二つが可能性大だろう。
「うん。また明日だね」
今日で総魔力量の四割ほどを使ってしまった。回復するまでに数時間かかるため今日中には回復しないのだ。
明日はまた羽妖精を転送して地球でいろいろなことをやってきてもらおう。
今日は魔力に関して調べてきてもらったけど、明日は日付とか調べられたらいいな。
日付が調べられたらこちらで何年立つと地球で何年立つかがわかり、計算ではじき出すことができる。
『はい!』
日付を調べてきてもらうには数字を覚えてもらわないとだよな。覚えられなくてもどれが日付を表すものか理解をしてもらわないとな。
「マオ兄、ご飯だよー」
「わかった、今行くー」
もうそんな時間か。
『はい!』
「ご飯何かなー」
この発言からわかる通りテオドールって普通のご飯食べるんだよね。羽妖精は魔力がご飯って言っていたから、テオドールが普通じゃないのかな。
前にテオドールが普通じゃないってクラディアらへんが言っていたような気がする。
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