吸血鬼領主~体は子供体型でも妾、大人じゃもん!~

けいき

文字の大きさ
上 下
104 / 134
役に立ちたいのじゃ!

しおりを挟む

「(『ステータス』)」

 心の中で唱えると目の前にステータスのウィンドウが現れた。

 ……よし、誰も変な顔をしていないから見えていないらしい。



 クリスタリア・アメジール・フランジール

 種族 魔人族《吸血鬼族》  誕生日 12月31日

 身長 123㎝ / 体重 20㎏ / 視力 優良

 天職
 ・禁呪魔術書製作者 レベル153

 職業
 ・フランジール王国・第一王女 レベル15
 ・フランジール王国アメジール領、領主代理 レベル93
 ・魔導士 レベル71
 ・街作り設計者 レベル38
 ・魔導具製作者 レベル42
 ・会計士 レベル53
 ・魔物狩人モンスターシャサール レベル94
 ・給仕セルヴース レベル5


 いやいやいやいや、ちょっと待って? ちょっと待て! たぶん前回見たのが150年くらい前じゃと思うけどなんか良くわからない内に職業が勝手に生えてるのじゃ! 街作り、魔導具、会計士って! 給仕セルヴースは覚えてるけど、それ以外は知らんよ! そんな感じで声を大にして叫びたかったがステータスのことなので個人情報を漏らさないように無言で何とか耐えきった。


 体力 22671/23769  魔力 64245/64845

 攻撃力 3651  防御力 2753  敏捷力 6852
 知能力 8672  精神力 2952  幸運値 1642



 …………ん? そういえばよくよく思ったけど知能上がりすぎじゃないか? それに比べて幸運少ない。妾、なんだか頭でっかちの不幸な子みたいでヤじゃ! 魔力減っても良いから2000くらい知能から移動したいのじゃ……。本当になんとかならんかの……。
 
 《禁呪『能力値改竄』が作成されました》

 ……あ、思わずと言うか勝手に魔法を作ってしまったらしい。ヤバイ……。ヤバイのじゃ……。父上にバレーーいや、父上、アール、執事、アラン兄様にバレたら……。よ、よし! 領に戻ったらこっそり試そう。そしてまずはアールを仲間に引き込もう。あと兄様! アラン様なら仲間に出来そうじゃし!

「……ちゃん。ーーーーちゃん! こら! リアちゃんっ!!」
「ふみぃっ!?」
『王女様、可愛い……』

 目の前には静かに怒れる父上がいた。そして隣に「おバカさんだねぇ」と口に出して言いたいことを顔に書いてあるアラン様が呆れたように立っている。

「……リアちゃん。議題内容をお前が言い出したのに何してたのかな」
「あう……。その……たぶん? 妾は参加する意味なさそうじゃなって思って……、150年くらい見てなかったからステータスをその、あの……チェックをしてたのじゃ……」
「はぁ……。ったくもぉ! 自分の世界に入らないようにってあれほど耳にタコができるくらいに言ったでしょ! しかも自分で緊急な会議にしたくせに会議の話に耳を傾けずに何をしてるの! 本気で自分には関係ないとでも判断したの?」

 妾、大人数の貴族の前に怒られた。素直に「ごめんなさい」するとペシンッと頭を叩かれた。地味に痛い。

「ちちうえ~……。妾、お仕事たくさんしたからお腹すいた……」
「くっ……ダメです! ちゃんと話を聞きなさい。会議に参加しなさい!」

 くーきゅるる……。妾のお腹の悲鳴がするのに……。ポシェットの中にオーガさんのおやつがあるのに……。ダメなのかの……。くーきゅるる……。

「………………リアちゃん、可愛いなぁ。はい、あーん」

 その声に反射的にかぱっと開くとアラン様がアメを放り入れてくれた。

「ん~っ! おーーんっ! んんっ」
「(こら、大人しくしなさい。可愛い行動を、笑顔を見せたらいけません! 嫁にって狙われたらどうするの!)」

 会議が終わると案の定、ぜひとも息子の嫁にと群がれ、丁重に一人一人お断りしていたがさすがに面倒になったクリスタリアはため息をついた。

「申し訳ないのですが、ご子息は閏日生まれなのでしょうか……。私は皆様もご存じの通り閏日生まれです。たぶん平均よりも長生きすると思われます。それに成人するまでにまだ700年はかかりますし、もし婚姻したとして何年一緒にいられるのでしょうか……。考えてくださった方はおりますか? あと、これから閏日に生まれたとして500年も離れた下の方と話が合うとは到底思えませんので固くお断りさせていただきますね? なのでこの場限りの話でよろしくお願いします。強いて言えば私よりも魔力が少ないのは論外ですね。私はご存じだとは思いますが一応吸血鬼族ですから……」

 遠回せたかわからないがキッパリお断りじゃ! ボケェ~ッ! と言ってやったら笑顔の父上に良い子良い子と頭を撫でられたのでありがたく撫でられることにした。頭を撫でて欲しいところに傾けると一瞬止まった手にグリグリと頭を押し付けて催促したら小さく笑われた。


 父上の気が済むまでずっと撫でてくれても構わんのじゃよ?





しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

皇帝の番~2度目の人生謳歌します!~

saku
恋愛
竜人族が治める国で、生まれたルミエールは前世の記憶を持っていた。 前世では、一国の姫として生まれた。両親に愛されずに育った。 国が戦で負けた後、敵だった竜人に自分の番だと言われ。遠く離れたこの国へと連れてこられ、婚約したのだ……。 自分に優しく接してくれる婚約者を、直ぐに大好きになった。その婚約者は、竜人族が治めている帝国の皇帝だった。 幸せな日々が続くと思っていたある日、婚約者である皇帝と一人の令嬢との密会を噂で知ってしまい、裏切られた悲しさでどんどんと痩せ細り死んでしまった……。 自分が死んでしまった後、婚約者である皇帝は何十年もの間深い眠りについていると知った。 前世の記憶を持っているルミエールが、皇帝が眠っている王都に足を踏み入れた時、止まっていた歯車が動き出す……。 ※小説家になろう様でも公開しています

転生したらチートすぎて逆に怖い

至宝里清
ファンタジー
前世は苦労性のお姉ちゃん 愛されることを望んでいた… 神様のミスで刺されて転生! 運命の番と出会って…? 貰った能力は努力次第でスーパーチート! 番と幸せになるために無双します! 溺愛する家族もだいすき! 恋愛です! 無事1章完結しました!

子持ちの私は、夫に駆け落ちされました

月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私のお父様とパパ様

ファンタジー
非常に過保護で愛情深い二人の父親から愛される娘メアリー。 婚約者の皇太子と毎月あるお茶会で顔を合わせるも、彼の隣には幼馴染の女性がいて。 大好きなお父様とパパ様がいれば、皇太子との婚約は白紙になっても何も問題はない。 ※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。 追記(2021/10/7) お茶会の後を追加します。 更に追記(2022/3/9) 連載として再開します。

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

異世界で婚活したら、とんでもないのが釣れちゃった?!

家具付
恋愛
五年前に、異世界に落っこちてしまった少女スナゴ。受け入れてくれた村にすっかりなじんだ頃、近隣の村の若い人々が集まる婚活に誘われる。一度は行ってみるべきという勧めを受けて行ってみたそこで出会ったのは……? 多種多様な獣人が暮らす異世界でおくる、のんびりほのぼのな求婚ライフ!の、はずだったのに。

処理中です...