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妾じゃなくても……再び?
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しおりを挟む手持ちの使い道のない瓦礫などを含めて材料などが集まってきたので1日の間に2回ほど。エメラール領の領都は毎回20センチほど隆起する。
そのあとは街の外周に落とし穴を作るのかと思うほどの穴が出現し、街は男衆が団結して領主であるアランの命の元、用意された石を道に砂を敷いて綺麗に並べていた。
湖から水を引くための水路は敵に感づかれない様にとルノアールとクリスタリアが夜な夜な秘密裏に地中を掘り、1日で街に繋げると言う早業で朝起きたアランとフローライトが堀に水が満ちた状態だったのに驚いたのは良いとして、エメラール領の民が神だ何だと混乱したのは当事者2人はそ知らぬ顔をしていた。
しかも便乗して「神様って凄いねぇ~っ!」なんて話を合わせる始末である。
エメラール領に来てから1週間。
さすがに仕事がたまるのでフローライトとアランは城へ戻り、夕方にはフローライトがアランを担いで戻る生活が始まった。
ただし、昼間はどうしてもクリスタリアが動けないので城に連れていく間、ルノアールも学校へ戻って仕事をして夕方にエメラール領に現れる生活を続けること1ヶ月。
8月に入る頃には第2の水の都が完成間近となった。
「後は畑の収穫を終えた場所から入れ換えだね…………。あれ? クリスはまだ寝てるの?」
「うーん……。寝起きにマリーの襲撃にあったらしくてね……。刺繍とかしたらしい……。ルノー。リアちゃんの才能が本当に怖いんだけど……」
「んっ?」
アランも苦笑いをしていてそっと刺繍の途中なのか枠ごと手渡された。
「うわ……」
途中ではあるがリアルなブラッディベアーいた。
「ここまでクマが好きなのか……。クマに嫉妬しそうなんだけど……」
「…………クマの柄のドレスとか作ったらソレしか着なそうな感じですよね。でも作ってみようかな……」
アランの言葉にお父さんたちは速攻で却下した。
それから1週間後。
無事エメラール領はリニューアルされ、安全で綺麗な城郭都市に生まれ変わった。工事費用は参加した領民の給料とクリスタリア達の食費と言う誰にも報告できない低価格を実現した。
「父上~……。妾、領主の代理の仕事に戻るのじゃ~っ! 妾、大人なのじゃ」
「あー……。まだ時間あるし、すぐに大人にならなくても……」
「うんうん、もう少し我儘さんなクリスと居させてよ……。ね?」
そして夕方になり、夜になり、深夜になっても戻してくれず、翌日の起きたときに無視を決め込んだら呪いを解いてくれた。
ーーいや、解いたと言うよりも送り返したと言うのが正解で、王都のとある学校は一騒動が起きたのは知るよしもない。
それからと言うとアメジールで領主の仕事をしている時に今まではフローライトだけだった来客にアランが増えた。
フローライトに毎日アランを担ぐの疲れると言われたので転移魔法を授けると2人は仲良く仕事終わりなのか遊びに来るようになり、執事の大鬼さんが笑顔で「帰れ」と言うのが定番となりつつあるのは仕方ないと思われる。
でも、妾は素直に甘えられる父上達の他に兄上が出来て嬉しいんじゃけどな……。
END
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