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妾じゃなくても……再び?
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しおりを挟む「リアちゃん。土の様子はどうですか?」
「ふむ、全体的にこの農地一帯と言うよりもここら一帯は地面が粘土質みたいじゃの……。コレでは水捌けが悪くて野菜が育たないのも仕方ない。でも水を与えないとカッチカチに固まるしの……」
「そうでしたか……」
「……と、言うわけで湖に行こうなのじゃ!」
妾の突発的な言葉に父上以外は困惑していた。
「あ、あの? アメジールと比べると小さいですし、かなり汚れてるようですよ?」
「うむ! なら更に理想的!」
「は?」
「ちなみにアールが粘土質で育つのは里芋と米って言ってたのじゃけど、育ててみる価値はあるのではないかと妾は思う」
そう言うととりあえず湖は明日にして今は屋敷に戻って夕食にしようと言うことになり、妾は父上に抱っこされていた。
「妾、歩けるのじゃ!」
「リアちゃんは可愛いからパパが心配なの。ほら、ちゃんと傘を持って? 夕方とはいえ太陽が出てるんだから……」
「うぐぐ……。そう言えばここの道は領都なのに舗装してないのかの? 馬車に居たときガタガタと凄かったのじゃけど……」
アメジール領は妾が赤ん坊と言うよりも幼児期に魔法の練習でアールと夜な夜な土魔法で舗装したのでデコボコがいっさい無い道であり、時間が経つに連れ人が増え、煉瓦を敷くようになった綺麗な道路である。
もしやこの道が普通でアメジールが特別なの……?
「リアちゃん。あのね? 王都は栄えてるし国の中心だから当たり前と言うとアレだけど、アメジールが特別なだけだからね?」
「でも土魔法でどうとでもなるんじゃろ? アールがそう言ってたのじゃ!」
「ルノーもあの頃は世間知らずだったからね……。仕方ないよ……」
まさかのアールが世間知らずだった事実!
妾がポカーンと口を開いて呆然としていると道路の舗装は土魔法でどうとでもなると言う言葉に唖然とするアラン様がいた。
「えっと、フローライト様? どう言うことですか……。舗装って魔法でできるのかな……。だって魔法って寝たら消えるよね」
「だから、土の中の水分に対して土魔法で攻撃するらしいよ?」
「……は?」
屋敷につくと見せてほしいと言われ、玄関から門までのアプローチを舗装することにした。
玄関の前にある段差に座り込み、土をペタンペタン叩きながら水分量を感じ取るとどうやら水捌けが悪いらしい。さすがは粘土質。
「よし、やるかの! あ、誰も範囲内に乗らないでくれなのじゃ! 死んでしまうのでの?」
『え、死ぬっ?』
使用人含め顔を真っ青にして一斉に離れるとフローライトはクスクス笑っていた。
「よし、では! 『岩の雨』」
妾の天敵ーーではないが地面の水分に向けて攻撃をすると岩で地面はボッコボコ。周りは更に酷くなった道に呆然と立ち尽くしていた。
「ふっふふ~ん♪ 『大気圧』」
空気中の圧縮した物を地面に垂直に叩きつけると一瞬だけ振動が来たが見事に岩が潰され、上からの圧力により地面はまっ平らになった。まぁ、俗に言うパワープレイ。プレス加工である。
「うわぁ、久しぶりに見たなぁ……。この魔法……。前はルノーが担当してたんだよね? これ、無属性魔法だもんね……」
楽しそうなのはフローライトだけで周囲の人はアラン含めて何も言えない状態。数人は気絶しているものもいそうだ。
実際、この舗装方法は副産物でクリスタリアが放った岩達を証拠隠滅のために当事教育係だったルノアールが素早く証拠隠滅に魔法を使ったら綺麗な地面が出来上がったと言うのが始まりである。
当初から少しばかり雑な2人組であった。
『………………』
……あれ? 妾、なんでここにポツンと立ってるんじゃろ? 妾でないとダメな理由が思い付かない。
そしてふと我に返った。ーーと言うか飽きただけとも言う。
しかも魔法の種類を教えたのだから後は好きにヤったら良いんじゃないかと思うのじゃが……。ーーだめ?
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