上 下
56 / 57

姉物語・王子宮って必要なの?

しおりを挟む

「「「金の無駄」」」

 場所を移動したらしたでこれまた本当に宮殿みたいな無駄な造りの建物で、そしてここでも無駄に豪華な部屋に案内された。
 ソファーに座って横を見れば庭も広々としていて、ここはどこなのかと聞いたら目の前の第三王子が一人で住む宮だって言うじゃない?
 庶民の汗水垂らした血税と言うか税金ってこういうのに使われてるのかなって思ったらなんかイラッとしちゃったわ……。
 でもなんか変なのよね。何て言うか豪華なのに殺風景……。
 建物全体が緑みのあるもので揃えられている。

「とりあえず改めて自己紹介からでよろしいか? 私はシルヴェール。この国の第三王子でシルヴェール・フォーリスと言う。隣にいるのは私の側近でアレックス。ドア付近に立っている騎士は私の乳兄弟でロイとジョンだ。あとは先程彼が自己紹介したが魔法師団長のサーシャ。もう一人あとから来ると思うがその時にしよう」

 とりあえず第三王子の彼が自分を含めてあの場に居た人を簡単に紹介してくれたけれども……。

「あなた方が現れたとき、私達は召喚が何事もなく無事に終わって良かったと言う会話をしていたのだ。あの場には私の腹違いだが兄達が……。第一王子と第二王子もいて、魔法師団長のサポートのためにいた団員達もいたのだが解散となってな……。関わっていた者がほぼ撤収し、私達は印が消えるまで話をしながら残っていたのだ」

 えーっと、つまりは私達が現れたとき、彼等の誰もいなくて部屋からでた瞬間に不法侵入者で牢獄行きになる可能性も無きにしもあらずって状況だったのかしらね……。
 物語が始まって即終了展開は勘弁してほしいわ。
 とりあえずこの場にいるのが第三王子シルヴェール、王子の側近のアレックス。
 シルヴェールの乳兄弟で護衛騎士のロイとジョン。
 術式を王に強要されたある意味被害者の魔法師団の団長・サーシャ。

 よし、覚えたわ……。たぶん……。

「どうぞ」

 アレックスが私たちの前に紅茶を目の前で淹れてくれて、サーシャがなぜか毒味をしていた。
 でもそれはそれでどうなのかしらねぇ……。
 私達のカップに元から細工されてたらどうすんのよ。
 私もお父さん達もシルヴェールが飲んでから飲んだけど、入っているのが毒でなければ銀食器は意味がないのよ。
 そこんところちゃんと理解してるのかしらね……。

 まぁ、その前に注がれる前のカップをなぜかお父さんがこっそり鑑定をしてたんだけど……。

 あのチュートリアルで特別に何か一つスキルをあげると言われたのでお父さんは『鑑定』を貰っていた。
 因みに私のスキルは『隠蔽』。
 話を聞くとゲームのようにステータスと言うものがあって国を出るときなど関所みたいな所で所属やらなんやら個人情報がバレるそうだ。
 あると便利だと思うよ? との助言を受けた私たちだったのだけど、お母さんが私に「シナリオとか作るのが得意な愛ちゃんにうってつけね」と乗せられたようなものだ。
 まぁ、欲しいものが見つからなかったからどうでもいいか……。

 とりあえず隠蔽は、
・時間と共に隠蔽はある物を他の物で覆い隠すこと。
・見られては都合の悪い物事を隠すこと。 
・覆い隠すとはある物や雰囲気などが別の物を包んで見えなくすること。
・真実が分からないようにすること。

 つまりあると便利だよ? といった真意は違うのかもしれないけど私は他の人に私達の姿を偽ることも出来るんじゃないかってことに辿り着いた。





しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

夫の心がわからない

キムラましゅろう
恋愛
マリー・ルゥにはわからない。 夫の心がわからない。 初夜で意識を失い、当日の記憶も失っている自分を、体調がまだ万全ではないからと別邸に押しとどめる夫の心がわからない。 本邸には昔から側に置く女性と住んでいるらしいのに、マリー・ルゥに愛を告げる夫の心がサッパリわからない。 というかまず、昼夜逆転してしまっている自分の自堕落な(翻訳業のせいだけど)生活リズムを改善したいマリー・ルゥ18歳の春。 ※性描写はありませんが、ヒロインが職業柄とポンコツさ故にエチィワードを口にします。 下品が苦手な方はそっ閉じを推奨いたします。 いつもながらのご都合主義、誤字脱字パラダイスでございます。 (許してチョンマゲ←) 小説家になろうさんにも時差投稿します。

もう人気者とは付き合っていられません

花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。 モテるのは当然だ。でも――。 『たまには二人だけで過ごしたい』 そう願うのは、贅沢なのだろうか。 いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。 「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。 ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。 生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。 ※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中

普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ
BL
「君は死にました」 「…はい?」 「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」 「…てんぷれ」 「てことで転生させます」 「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」 BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。

旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします

暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。 いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。 子を身ごもってからでは遅いのです。 あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」 伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。 女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。 妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。 だから恥じた。 「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。 本当に恥ずかしい… 私は潔く身を引くことにしますわ………」 そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。 「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。 私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。 手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。 そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」 こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。 --------------------------------------------- ※架空のお話です。 ※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。 ※現実世界とは異なりますのでご理解ください。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...