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※何があったのかって言われても……2
しおりを挟む「ヤト、強かったんだねぇ……。鼻が高いよ。自慢の息子だよ」
ゴブリンの山を作り上げたあと父様に褒められた。
まぁ、そのせいで愛流が俺を殺しそうな目で睨んでいるが、これに関しては不可抗力だ。不可抗力!
父様と仲良くなったと言うか、意図的に父様は俺との接触を拒んでいたのは王に俺の容姿に対して興味を持たせないため。
でもゲスは回避しても第三王子である兄上に性的なの含めて興味を持たれたんですけど?
あー、でもゲスに興味持たれて幼い体を組敷く可能性がないだけで感謝なのだけども……。
てか今生の父親だけど早く死ねばイイと思う。
そう言えば父様が城へ上がる際に連れてきた侍女に騎士達は俺が生まれてからは全て俺に与え、父様はゲス王が用意した侍女に世話されていたらしい。
寧ろ要らなかったっぽいが正妃と側妃達を懐柔させるためには必要だったっぽい。
最初こそ何で男の妾に支えなければならないのかと反発はあったらしいがそのシーンを運悪く王に見られてその場でクビというかひと悶着あったそうだ。
庇ったら庇ったで自分に返ってくるから放置してたらいつの間にか侍女達が従順になっていて少しの間、毒が盛られそうで怖かったんだよね~……なんて笑っていたのはドン引き案件。
それはさておき、ゴブリンの死体の山を作り上げたのには理由があり、本日の朝にユウ・ゲンが【ヒイロが刃こぼれする! 切りたい、切りたい! ヒャッハーしたい! って叫んでるのヨン。煩いのヨン。何とかしてほしいのヨン!】と寝起きの俺にユウ・ゲンが訴えてきたからである。
朝御飯の際に気分転換にモンスター討伐したいって伝えたら愛流が「あ、私もそろそろやりたいと思ってた」と言うと一緒に旅をしていた父様と師団長が慣れたのか理解したのか「それは一大事」と言い、思わず部屋は静かだった。
愛流にどう言うことかと聞いたら「面倒だから私達三人の武器は意思を持つ武器なのでモンスターを倒させてくれないなら人を襲うかもしれないって嘯いたのよ」……と……。
え、それ言って良いやつなの? と思わないでもないけどオート戦闘だとは言わなかったらしい。
んで今日の予定は特になさそうだったこともあり、馬四頭の幌馬車で森へとお出掛けしたわけなんだけど……。
森を分断するようにガルシアとランドルフを繋ぐ街道があるので馬車でも森のなかに入っていける。
途中から幌馬車を俺が収納して騎馬で森のなかを散歩することとなり、馬に乗れない愛流を俺が父様に二人乗りを頼んだ訳なのだがアイツから漏れる幸せオーラというのか雰囲気にイラッとしたのは俺だけではないと思う。
俺がモンスターの位置などを感知をしながら小物を倒していると地図上で人とモンスターの戦いらしきものを発見した。
数としてはほぼ一対一のタイマンっぽくてどうなのかなと思っていたらどちらも一向に減ることがない。
つまりは殺し殺されがないということは力が均衡しているということなのだろう。
助けにいくか皆に聞くととりあえず近くまで行って様子を見るのも手だろうというわけで静かに移動した。
馬を隠すように少し広い場所に魔法の壁で隔離してから歩いて行くと近づくにつれ声が聞こえてきた。
でも思っていたのとは全くの真逆のものだった。
「あ、あれは! やだ、一つ目触手丸に二つ目触手丸じゃない! いやぁ~ん、妄想の世界が現実に!」
愛流はこんな機会はもうないと言う意気込みなのか、食い入るように現場を余すことなく見つめていた。
てかお前、密かに動画撮影してねぇか?
しかも土魔法の応用なのか自撮り棒……いや、三脚っぽくしてねぇ?
………………うーん。うん、撮影を無理に止めさせたとして、後になって触手姦を再現しろと言われたら嫌だから好きにさせておこう……。
現状、愛流以外の男(俺以外)は目の前で繰り広げられる現状に呆然とし、顔色は真っ青で吐き気との戦いらしいから愛流の奇行に気づいていないしね……。
とにかく目の前で行われている触手姦は屈強な騎士なのか傭兵なのか、はたまた冒険者なのかわからないが愛流の言った触手丸という触手の塊に犯されているのだ。
手早く説明をするなら1人の体に触手の塊が1つほどベタリとくっついて、肛門に一番太いのを突き刺し、口に細いの数本入れて、乳首には吸い付いてるのか弄る為のそれなりな太さの触手が2本。
あぁ、あとは尿道にもスッゴク細いのを入れられてるっぽい?
あとは体をマッサージなのか擽ってんのか不明な短い触手達。
AVアニメなら許容されてるっぽい光景が目の前で繰り広げられると興奮よりも逆に萎えるわな……。
いや、襲われてるのが男ではなく、女だとしてもやっぱりこの光景はグロテスクだろ……。
日本での生活の記憶がある俺でもどことなく受け入れられないのはメジャーな化け物系の触手というよりも、日常的に見覚えのある植物の蔓や枝、根っ子とかだからなのかな……。
そう言えばルーが赤だか緑の触手丸に山芋があるとか言ってたか……。
うーん、うーん、うーん……。山芋、ねぇ~……。
──うん、決めた。ルー、ごめんな。
兄ちゃんは目の前であの屈強そうな男達を犯してる山芋を食べたくはねぇわ……。
まっさらな触手の塊を見つけたらプレゼントしてやるから許せよ……。
そんなことを脳内で思っているとふと低木が繁っている場所に人の足があるような……と注意深く見ていたら、なんとあの男達の仲間なのか一人離れたところに隠れるようにしているがピクリともせずに気絶していた。
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