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※ けもっ! 3(Easter)【ヤト×ルカ R18】

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 今日の夜は兄の部屋にお泊まりです。
 グレン兄さんは俺を構い倒すと言う使命のもと、昼間できなかった仕事を片付けるらしく自室にこもりました。兄は明日の分もそれなりに終わらせたそうなのです。いっぱい遊べるね! 明日の昼間は俺に構ってくれるらしい。でもさすがに半日も遊べば仕事は恐ろしいスピードで溜まるとのことで明日の夜はグレン兄さんの部屋にお泊まりです。つまりはローテーション。俺の部屋でないのは書類を運ぶのが面倒だからだそうな─ 。俺が寝ている間、仕事をすると言う効率を選んだんですね……。

「兄~っ! ひまー、ひまー、遊ぼ?」
「お前、やっぱり夜行性か……。いつもなら大人しく寝てる時間なのにな……」

 そう言われて無意識にベッドの上で座ったまま膝を動かして足ダンしてたら兄に「どうやら機嫌が悪くなると足ダンするのはウサギの特徴だな……」と呟かれ、俺はシュンッと大人しくなったのは否めない。

「兄~……。今日は僕に構ってくれなかったんだからいっぱい遊んでよぉ~っ!」


   ◆

 
 最初はね? 兄のお膝抱っこでオセロしてたんだよ。うん、最初はね?

「んっ、チュッ……っぁああ!」

 負けたら勝った相手にほっぺにチューとか戯れてたんですよ。えぇ、えぇ、言いたいことはわかりますが『戯れて』たんですよ! やっぱりさ、俺だってウサギの雄なわけですよ。間違えた。人間とはいえ男なのです。気を抜いたら発情期ばっちこーい! の臨戦態勢なわけでして──。兄を押し倒したらそのまま俺が美味しく頂かれている状態と言いますか……。現在、美味しくいただかれる前の下準備と言いますか……。

「ルー? 考える余裕があるなんて酷いなぁ」

 俺の人間の方の耳ではなく新たに生えたけも耳をはむっと噛まれました。あまりの衝撃にへにゃっと力なく兄の胸に崩れるとそのまま抱き締められながら兄を受け入れるために慣らしているその場所をグチグチ、グチュグチュとわざと音を立てて動かし始めた。

「っひぁ! ダメぇ」
「ルーのダメは嫌がってないから止めない」

 あぁ、姉の薄い本にこんなエロい行為中の「ダメ」「いや」は「良い」と同義語って書いてあったな……。暇だったから前に兄の手荷物に総集編があるの見つけて読んだんだよね。なかなかすごかった。俺と兄がモデルにされてたけど、俺、男なのにふたなり設定だった。ふたなりのわりには体の作りは男の割合が多かった。けど定番なのか子供生んでたよ? んでもってモデルとはいえ、ほぼ兄に監禁されてた。毎日朝からヤりまくりで、仕事で放置されてるときは玩具を入れられた状態で貞操帯を着けさせられて放置だった。姉のBLスキーなめてたわ……。近親相姦とか超怖かった。ちょっぴりトラウマ。でも、兄は大好きなままだから良しとしよう。あのさ? 作られた話だから良いけれど、その生まれた子は禁断の子なのでは……。

 ──────こわっ!

「っあ! 兄、いや、いやぁっ!」
「そろそろ集中しな?」

 昼間グレン兄さんにやられたようにギュッと根本を掴まれた。それに準じて肉壁を撫でる指を締め付けてしまい頭上からクスクスと楽しむ笑い声が降ってきた。

「可愛い……」

 けも耳を先程とは違ってカプッと噛まれると次の瞬間、体に強烈な刺激が走りぬけた。

「いあ……っ!!」

 体中からぶわっと嫌な汗が吹き出て、体が痙攣するようにブルブルと震える。思っているよりも痛い。痛くて仕方がないのに、なんで……。なんで、それが気持ちいいなんて感じてしまうのか──。
 その後は兄に「ちょっぴりお仕置き」と乳首に歯を立てながら、今度は今まで全く触れていなかった反対側の乳首までギリギリと強く抓られて、痛みと快感に体がカッと熱くなる。目の奥が熱い。痛みからなのか気持ちいいの? 頭のなかがもうグチャグチャだ。ただ、今言えることはもうだめだわ、この体。どうしようもない、と昴は半ば諦め始めていた。俺の中のウサギが気持ちよさに陥落してた。そのお陰と言うべきなのか迷うが、俺の理性が引きずられてしまって、なんかもう気持ちよくなれるならいいかなぁ~っとまで思い始める。

「はぁ……は、あ、んあ…っ、あ……兄ぃ、も、も、無理…っ!」
「いいよ、イけよ」

 イけよと言うわりには根元をギュッと掴んで塞き止めている兄の手が緩むわけがなく現在、射精禁止。乳首を噛まれ、指で強く摘ままれ……。限界を訴えた途端に更に刺激が増して、俺は精液は出させてもらえないが、あっけなく達してしまった。

 …………男でも乳首でイケるということを俺は学習した──。

 脱力して肩で息をしていると、ようやく乳首から口を離した兄が顔を上げて機嫌よさそうに笑う。男が射精せずに果てるのはそんなに面白かったですか? それとも予想通りで嬉しいですか? 俺は物足りないです。

「物足りないんじゃないの? これからは痛みも必要なのかな?」
「う、さぎだけだよ……。僕は……痛いの、い、やぁ……んっ」

 兄が乳首を捏ね始めました。敏感になってるのに酷い。

「とりあえず乳首でもう1回イってイき方を覚えような?」

 1回と言ったのに何故か立て続けに2回ほどイかされました。本当に兄は鬼だと思うの──。

 兄に抱きつきながら中に欲しいと言うと「ダメ」と一言言われたので機嫌が良くなるまで抱きついたりキスしたり──。恥ずかしいのを我慢して自分からベロチューねだったり、兄の大きくなったのをやわやわと触ったり、「ちょーだい?」とお願いしたけど兄はニコッと笑うだけで「ダメ」の一点張りだった。お陰で陥落していたウサギさんは機嫌が悪いらしく……。なんと言うかお願いするのが面倒になってきた自分がいます。兄の腹に手を置くともう片方の手で兄の硬くなった逸物を固定するように押さえると解してくれていた自身の穴に添わせた。そっか、俺からいれちゃえば良いのか! 名案じゃね!?

「ははっ、自分から挿入するとかヤぁ~らしっ……。ルーは本当に悪い子だな。ウサギの本能に負けたか?」
「兄ぃ、ウサギとかもういいでしょ……。ね、兄も一緒に気持ちよくなろ?」

 いや、ウサギとかどうでもよくないです。気にします。なんか二重人格みたいで気持ち悪い。そして体は意思とは違って快楽を貪ろうとしている。ゆっくりと体を沈めていくがなかなかうまく入っていかない。

「ねぇ、兄ぃ~っ。僕、欲しいの……。ね、ね、お願ぁ~い」
「────ったく」

 ため息をつかれたが兄が穴を広げるように俺の尻を掴んだので、あとは重力で俺の体が下へと動くのだがなかなか入っていかない。まぁ、受け入れる入り口と入れようとしているモノのサイズ感が違うのだから仕方ない。

「あっ、あっ……」

 兄が俺の両手をつかんで自分の首に回すように持ち上げられると支えるものがなくなって更に俺の体が下へ下りる。つまりは兄の大きな逸物が奥へと入ろうとしてくるわけで──。頭の中では入れたいのに体は逆に入れたくないと強ばる。

「っは────いい景色」

 どこがですか!? あ、なるほど。俺が泣きながら兄のを入れようとしてる光景ですか……。こちらはかなり苦しいんですけど、わかってくれてますかね? 涙目でムッと睨むと兄はニコッと笑って俺にキスをした。

「ルー、自分でいれる? それとも俺がやろうか?」

 そんなこと言われると俺が負けた気分になる。この一番太い部分さえ入れば後は──。兄に抱きつきながらハァーハァーと深呼吸していると兄は小さく笑って俺の足の付け根に手を置いてグッと下へ押した。

「いやぁぁぁっ!」
「ん? ほら、先端が入ったからあとは出来るだろ? ウサギちゃん」

 カプッとけも耳を噛まれて、実はチマッと存在していた尻尾をモミモミされて一瞬昇天しそうになった。兄は本日、鬼畜な気分なんですかね。優しさが欠片も感じられません。太い部分が兄のお陰で入ったのでズルズルと滑るように竿を伝い、全部が体の中に収まった。俺は噛まれた耳の衝撃で動けなくなり、兄は俺の体をギリギリまで持ち上げるとまた手を離した。そんな風に遊ばれること暫し、俺が意識を戻す頃には体はウサギさんが頑張ったのか俺の精液で兄の体が汚れ、ベッドに寝かされて兄に主導権を取られてました。

 まぁ、最初からとれてなかった気もするけど……。

「あ、あっ! んんっ、──兄ぃ、兄ぃ……。奥、しゅごいの……」
「へぇ、どんな風に?」

 なんか俺の中に別の動物がいるみたいだ。あぁ、ウサギか──。今、兄のが……。奥の一点を擦られた瞬間、意識を手放しそうなほど気持ちよかった。脳天から痺れるというか、電気が走ったみたいな感覚。

「ねえ、ルカ、なにがそんなに気持ちいいんだ。トローンとした蕩けた顔も可愛いな。ほら、言いなよ。もっとよくしてあげるから」
「ほ、んと? 兄、兄ぃ、気持ちい……、凄くいいの……んぅっ、はぁっ、あぁ……ッ! いっぱいちょーだい? お腹いっぱいちょーだい?」

 最奥をずぷりと貫かれた。思わず瞼を閉じ、覆いかぶさってきた兄の肩に必死でしがみつく。あ……。目を閉じると逆に過剰に反応しちゃうかも──。
 そっと這わされた兄の手にビクッと反応し、愉しそうな吐息と共に胸をまさぐられる。平らな、でもちょっと子供体型ゆえのプニッとした柔らかな感触の胸板をやわやわと揉み、乳首をゆるゆると撫でたり捏ねたりつねったり、とにかく胸を揉みしだかれた。それと同時に下から何度も何度も突き上げられる。

 ぐちゅっ、ぐぷっぐぷっ。

 兄の出した精液と俺の腸液。潤滑剤に使ったアロエとオリーブのジェルが凄い音を奏でていて羞恥心が煽られる。

「あぁ……っ、ひぁ、あっ、あっ、あっ、兄ぃっ」
「セックスしてるときは兄じゃなくて『ヤト』って呼びな? はい、練習。ルー? 俺をヤトって呼んでみな? ちゃんと呼べたらご褒美あげるから」
「あっ、あっ、兄ぃ──っや、やぁっ、やあぁぁぁっ……、──あ、あは……や、ヤトっ、ヤトっ、ヤトぉ~っ」

 兄と呼んだら問答無用で乳首を限界までギュッと潰して捻られた。かなり痛かったので泣きながら言うと「よく出来ました」とじんじんする乳首は優しく撫でられ、なだめるようにキスをされた。ご褒美はなんだろな……と一瞬脳裏に浮かんだけど、イかせてくれればそれで良いって思っちゃうのはダメなんだろうか……。何故か激しくなった突き上げに合わせて短く声を上げさせられる。押し寄せる快楽の波には俺は逆らえない。既にぐずぐずに蕩けた粘膜を捲り上げられたら死ぬほど気持ちがいい。このまま何度もイかせてくれたらそれがご褒美で良いです!!

「ふぁっ、あっ! ヤトぉ、あぁ……んんっ、気持ちい──」

 ……もういっそこのままケモニマル病のままでも良いかも──……。
 

   ◆


 数日後。俺のケモニマル病が治まったと思ったら翌日グレン兄さんの頭には狼が。兄の頭には黒彪の……。感情豊かに動く耳と尻尾が現れたというね……。あはは、狼と黒豹かぁ……。

「ルカ、お兄ちゃん達を宜しく頼むねぇ……。パパ、お兄ちゃん達のお仕事頑張るから、ね……」
「ルカちゃん、頑張ってちょうだいね。ママは遠くから見守ってるわ」

 如何せん下手に肉食なので近寄るのはやめたらしい二人の言葉に俺は「飼育員に転職させられた?」と思ったのは秘密である。




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