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第10章 そこのけそこのけ男の娘が通る

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 はぁ~……。久し振りにグレン兄さんに抱かれてから早七日が経ちましたがその間に兄に抱かれ、グレン兄さんに抱かれ、兄に抱かれと交互に繰り返し俺の体内が疲弊してます。
 そりゃね、ヒールで回復はしますよ。回復は、ね……。
 肛門もヒールで治るから開きっぱなしってこともない。
 でもね、大腸と言うか直腸って言うべきか?
 こう……前立腺を刺激しなくても気持ちいいと感じてしまうのはもはや手遅れなんじゃないかなって思ったらちょっとどころじゃなく怖くて怖くて……。
 怖くてしかたがないのよ。やっぱり手遅れ?
 しかも兄さんと兄はなんなの? 密かに競ってるの?
 二人とも一回は必ず結腸チャレンジするんですけど……。
 苦しいし、入ったら入ったで泣きながらもうやだって言ってるのになんか二人とも酷くないか?
 あそこは絶対に入れちゃダメだって!
 いや、そもそも臓器に異物を入れちゃダメだと思うの。
 男同士のセックスを大否定することになっちゃうけども──。
 俺の体はグレン兄さんと兄によって気持ちよく感じるように変えられてしまったから結腸は最後の砦的な感じで体が頑張って警鐘を鳴らしてるんだろうけど──。
 うーん、それに姉の薄い本を暇潰しに読んだら男の子宮とか何とか書かれてたけどさ、その表現はあってんの?
 いや、女の子宮と言うものをあまり理解できてないけども。
 赤ちゃんができる場所って事は解るけど、そこが男の結腸と同等とは思えんのよな。
 ……やめやめ! 俺がまず心配しなくちゃいけないのは俺を守るために選ばれた従者兼護衛のゼノさんだわ……。
 俺が一日おきに兄と寝てるからアンドレアさんがゼノさんのお部屋にお邪魔してんだよね。
 人の事を言える立場じゃないけどかなり盛ってますね♪

「…………えーっと、生きてます?」
「なぁ、ルル……。お前、こんなに小さいのにあいつらの相手をよく出来るよなぁ……」

 俺の目の前では死んだ魚のような目をしたゼノさんがテーブルに突っ伏していた。
 前屈みになってると腰が楽なのかな……?
 あ、もしかして昨晩はかなり気持ちよくて腰が抜けたままとか?
 んでもってゼノさんは俺とグレン兄さん。兄と防音をしてても何をしてるかは知ってるんだね?
 いや、東の森の時に言わなかったけどバレバレだったもんね。
 グレン兄さんに押し倒されてる所を助けたのはなんだか懐かしいな……。

「あの時も言ったけど、ほら僕にはヒールがあるから……」

 ヒールで俺と同じようにゼノさんを疲労と肛門を治しつつ、直腸は放置の方向で治療した。

「いつもありがとな。お前がいなかったら俺は既に死んでるわ、マジで……」

 魔法で体が楽になったのかゼノさんは上体を起こして普通に座り始めた。

 …………え、ちょっと待って? 俺がいなかったら死んでるの?

 不思議に思って無言で話を聞いていたらまさかのアンドレアさんが学習してなかった。




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