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第10章 そこのけそこのけ男の娘が通る
24※
しおりを挟む「あ、あ……。んひっ!」
お、く……そんなにゴリゴリされるともう、出ちゃ……。
元々量は少ないから仕方ないけどポタポタと落ちる精液はゆっくりと湯のなかに消えていった。
体の奥に注がれていた兄さんの精液が、体の内を激しく動く度に隙間があるのかわからないけど少しずつ溢れ、足を伝う。
律動によって掻き混ぜられた俺の腸液と彼の白濁が、ゴポ、と弾けるような音をたてて、しかも泡立っているらしく湯に落ちてもその泡は拡がりながらも漂うように浮いていた。
それを視界のどこかで確認しつつ、お湯のなかで俺と兄さんの精子が泳いでると思ったら変な気分になった。
お風呂の湯で泳ぐなら俺の体のなかで泳げば良いのに──って……。
「ふふ、何を想像したんです? すごく締め付けるようになりましたね」
耳元で囁かれて更に締め付けてしまい、兄さんに前を触られて強制的にイかされた。
強制的にイかされて力の抜けた体に兄さんは律動を再開した。
「も、奥、や……めぇっ! 気持ちい、からぁ~っ! 怖いのぉっ!」
「ダメですよ。ルルがわざと内を締め付けた事のお仕置きですからね」
内側を引っ掻く動きが激しすぎて頭がおかしくなりそうだ。
しかも今までよりもさらに奥へ入り、しかも珍しく乱暴に抱かれてることもあって、いつもと違った興奮を覚える。
お風呂タイムを開始してから短時間なのに上からも下からも兄さんでいっぱいにされ征服された気分になるのはなぜだろう?
征服されたのに嫌だとは一切感じないし、逆に嬉しい気すらする。
ルカの時とは違うシチュエーションのせいで俺もかなり興奮しててハイなんだろうな──。
「ね、もぉ……やめっ」
「……、まだまだ時間はありますし、やめませんよ」
俺を覗き込んだグレン兄さんの顎から汗が伝い、俺の頬に落ちた。
いつも余裕で優しくて、自分よりも俺を優先。
グレン兄さんはそんな人。
じゃぁ、目の前にいるこの人は誰だろう? 本当に同じ人間なのかな? と問いたくなるくらいに獰猛な笑みを浮かべている目の前の人は、俺と同じくいつになく興奮しているのか息を乱し、汗を浮かべていた。
なんとかお昼ご飯までには着付けもなにもかも元通りにしたい。
そう、体力的な疲労はヒールで回復したとしても、快感を欲しがるお尻の奥、興奮して更に今よりも気持ちよくなりたいと思う貪欲な思考、それら全てを全部元通りに、リセットしたい。
「お昼までにはいつものルカになりたいのぉ……」
「ふふ、ルカじゃなくてルルでしょう?」
あれ? 兄さん、もしかして鬼畜なモードに入ったの?
えーっと、名前間違えただけでまさかのお仕置きモード突入ですか? それだけはマジ勘弁してください。
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