クソゲーの異世界で俺、どうしたらいいんですか?

けいき

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第10章 そこのけそこのけ男の娘が通る

22※

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 とにかくさっきグレン兄さんが教えてくれたことについて考え、たとりついた答えと言うか要約すれば兄さんは俺の外面がすごく好みというかドンピシャだってことだよね?
 ルカとルルの差は髪の色だけだからこんなにも興奮してくれてるんだもんね。
 それに関してはちょっとどころじゃなく素直に嬉しいと思った。
 だってさ、つまりルルは女の格好してるルカだから髪の色が違うけど外面は好みってことだよね? 髪の色とか長さは関係ない…………あれ? なんか急にゲスな王様を思い出したんだけど……。

 あ、もしかして、ルルとしては喜んじゃいけないやつか!?

 よく考えればグレン兄さんは男だから見た目の事になるが男の娘女の子のルルは好みの事もあって性の対象になるらしい。
 うん。正にアレだね、男と女なら子作りと言う生物という意味合いも含めて自然ではあるよね。残念ながら俺は男だけど。
 あー、そっかそっか。毎日、毎日、兄さんは性欲を我慢してたってことなのかな?
 浮気じゃないんだから俺としては言ってくれれば良いのに……と思うが流石に毎日は嫌だ。
 そしてこのウィッグは呪いのアイテムなのか? 外れる気配を感じない!

「んっ……、んむっ」

 久しぶりの強過ぎる快感が思っている以上に苦しくて、苦しくて、深呼吸するのに大きくあけた口を、唇で塞がれた。
 酷すぎる……。

「……ん、んんっ!!」

 グレン兄さんは俺の舌を優しいけど無理矢理絡めとり、更には吸い上げた。
 痺れるような快感とクラクラする頭で必死に空気を求めれば、一瞬離され、息を吸ったと同時にまた塞がれる。

「ルカだと理解してても何でかこんな風にルルを性欲の捌け口にしてしまうから手を出したくなかったんですよ」
「……っ」

 確かにいつになく激しい。
 ルカは大切にしたいから極力優しく抱くけども、似てる人はルカではないからってこと?
 あぁ、そっか……。またもや理解した。
 この世界にはウィッグなんてものは存在してなくて俺と兄が作り上げた新しい道具のひとつ。
 ウィッグを被れば別人になれるのはこの世界の人も同じで、でも俺たち現代から来た人間とは違ってまだ頭のどこかで理解できないのかも知らない。
 だからグレン兄さんはルルはルカだから大事に、優しく抱きたいけど、混乱してる頭で完全に理解しろは無理だよね。
 それにルカに似たルルが裸で誘ったようなものだし、今となっては性欲が勝っちゃったし?
 俺も俺で久し振りだから気持ちよくなっちゃったし?
 グレン兄さんのちょっと乱暴な抱きかたというか新たな一面で逆に興奮したというか──。


 これはこれでプレイとしては成立してるからもう良くね?




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