クソゲーの異世界で俺、どうしたらいいんですか?

けいき

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第10章 そこのけそこのけ男の娘が通る

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 ふふぁ~……生き返るのぉ~……。極楽、極楽~っ!
 昼食前にお風呂に入るとかなんかもう……贅沢じゃね?
 お風呂に浸かってお出掛けしてた体温がやっと戻ってきてくれた感じ!
 自分では気づかなかったけど結構冷えきってたんだなぁ……。
 いや、久し振りに歯がガチガチと音を鳴らしたから冷えてるなぁとは思ったけど、ここまで冷えきってるとは思わなかった。
 お風呂のお湯が最初は痛みしかなかったけど、少ししたら冷たく感じたもの。
 しかも運動不足だと自覚しちゃったよ。
 これに関してはちょっと運動しないといけないなぁ。
 だって少し外に出ただけで冷えきるって筋肉が落ちまくってる証拠だよね?
 外は寒いからプレイルームの壁づたいを走ろうかな。
 校庭の無い学校の外周を走るようなもんでしょ?
 何周走れるかな……。制服の一部だったから持っているだろう姉にジャージをもらおう! そうしよう!

「ふはぁ~。ぬくぬく~……」
「ルル、大丈夫ですか? …………あぁ、唇の青みは消えましたね……」

 大人しくお風呂に入って良い子良い子と俺の頬を撫でながら観察された。
 あの一瞬外に出ただけで唇が青くなるってドンだけ冷え性なんだろね、俺……。
 因みに兄さんは兄さんの部屋に戻って湯を張り、俺の着てる服をパパッと乱雑に脱がせたらそのままポイっと湯船に落とした。
 まぁ、落としたというのは嘘だけど。ちゃんと丁寧に入れてくれましたよ。
 今は俺の着ていた服がしわくちゃになるからと回収してハンガーに掛けていたと思われる。

「グレン兄さぁ~ん、久し振りに一緒に入ろーよ」

 と誘ったらやんわりと断られた……が、側で見られるのは嫌だ。
 しつこく誘ったら渋々入ってくれまして、やった♪と喜んでみた。

「ねぇ、ねぇ、ゼノさんがね? 言ってたんだけど、グレン兄さんは名前をつけて呼ばれるのヤなの?」
「……いえ、そんなことはないですよ?」

 その言葉とは裏腹に、変な間がありましたね。
 グレン兄さんの体を座椅子にして座ってる俺の肩に兄さんは甲斐甲斐しく湯をかけて温めてくれている。
 
「でも今更お兄ちゃんだなんて恥ずかしくて言えない……って、口が一人歩きしてたぁ!」

 俺の口ぃ~っ! 一人で散歩しちゃダメだからぁ!

「大丈夫ですよ。ルルの言いやすい呼び方で」

 それにしてもみんなはどうして俺をルカではなくルルと呼ぶのに違和感を感じないくらい言い慣れてるのか知りたいよ……。
 んで思ったんだけどさ、女装が解除となった時にルル……じゃなくて、ルカとか言われないか怖くて仕方ないんだけど……。




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