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第10章 そこのけそこのけ男の娘が通る
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しおりを挟む「向こう──というか、フォーリス国にいた時は周りに弱味を見せないようにしてたからな。グレンも俺もアンドレアも……。なにせ相手は毎日、毎日、グレンのいる場所にさ? そう、邸に寮に遠征先にと監視する人間を送り込むクズでゲスな王様だったし? 今は立場も違うから人前でお前を可愛がっても平気なんだよ。逆に可愛がってるのを見せつけることでお前に手を出したら容赦しないという圧をかけてるとも言えるな」
それに王様直々にお前はお外は絶対に禁止ってお触れが出てるし?
グサッと心に刺さるぶり返されたくない台詞をありがとうございます。
ほんとに思い出すだけでも酷い話だよね。
俺が男の子の格好していようが女の子の格好をしていようが、パパが王様の命令は絶対だと俺の行動制限をキツくしたんだよ?
そりゃね? 確かに兄さんを追って護衛も連れずに東の森に一泊とか、追い出されたから湖のほとりで隠居暮らしとか、街で売られてる商品が気になるからこっそり城出とかそれなりにやらかしたとは思うけどさ……。
思うけどさ! でも俺、春になったら愛馬のルイスと気がすむまで遠乗りとかしたかったんですけど……。
んでもってミドリちゃんの冬眠明け=モンスター狩猟解禁でしょ?
セルレ○オスでも、バルファ○クでも某狩りゲーのボスが襲来しても部位破壊も狙いつつ殺るつもりだったのに──。
それと一緒に手持ちにない植物を手にいれてと予定の上では大忙しだったのよ?
それをおちゃらけ無しで真面目に訴えたらパパは何て言ったと思う?
モンスターの狩猟解禁は兄も姉も理由が同じで一緒に行動するだろうから必然的にグレン兄さんにアンドレアさん、ゼノさんの若手三強と更には有能な騎士達を連れていくのを義務付けられた。
つまりは監視されてる状態ね。
そしてルイスと遠乗りは中庭が結構というかかなり広くて、壁づたいに馬が走れるように芝だけが張ってあるからそこで乗馬を楽しめと……。
イメージとしては競馬場の芝のトラック?
いや、広々としたパドックかな? と言うか、そこを何周も回り続けろとかマジで鬼だと思うの……。
植物採集に関してはこの領地……じゃなかった。
国中の雑草という雑草、若木等を全種類集めて既に中庭に植えてあると言われた。
薬効成分も毒素も無く個人的に役に立たなそうな本当の雑に生えた草は撤去しましたよ。
その際はまっぷる×2さんには大変お世話になりました。
たださ、何て言うか俺の楽しみを完全に封じ込められたと言いますか、奪われた感が半端ないんだよぉ~っ!
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