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第10章 そこのけそこのけ男の娘が通る
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しおりを挟むよし、オリーブ油を使って石鹸を作ろう。
馬油に灰汁を入れたら馬油石鹸ができるのだろうか……。
おぉ、なんか売り物になりそうな予感!
それに色つきのリップ云々に関しては、さっきの紅花をいずれ手に入れるリストにいれてしばらくは放置かな?
作るとしたら手持ちであるハーブやら花類で代用品を見つけないとね。
部屋を行ったり来たりしながらそんなことを思っていた。
うん、まずは石鹸から手をつけようかな!
「姉、紅花は手に入りそうにないから別の手段を……あれ?」
思案しているうちに誰かがグレン兄さんと兄。そしてアンドレアさんを部屋へと連れてきていた。
そして三人ともかなりいい運動をしていたのか外は寒いのに汗だく。
山々が雪解けしたら春と言うのならば今はまだガチガチの冬だし、汗を吸った服によって風邪をひくんじゃなかろうか……。
「えーっと、とりあえず着替えた方が良くない? 風邪引いちゃうよ?」
そんなことを言えば三人は同時にドライとクリーンを自身に掛けていた。
……そうでした、便利な魔法がこの世界にはあるんだよねぇ~……。
ルル、うっかりしてたぁ~……。てへぺろ………………って、きもっ。
女の子っぽく脳内で言ってみたけどバ……じゃなくて、なんかしっくり来なかった。
俺の性格の悪さなのかな……と思ったりしたけどまぁいいや。そしてもう気にしない。
そしてもう脳内でもやらない。
「アイル、お前は確か暇潰しにママさんを監視しようかなって言ってなかったか? なんでここにいんの?」
「いや、ルルちゃんに熱烈にトンカツを作ろうと誘われてね? これが証拠よ」
部屋に流れるのは俺の記憶に新しいトンカツをつくろ~♪だった。
凄くね? 俺がノックしてすぐに録音したの? マジで?
「なんかどこかで聞き覚えのあるノックの仕方だったのよ……。コンッコッココン♪みたいな……。しかも場所がお城だし。私は姉でルルちゃん妹だし。今日のルルちゃんは三つ編みおさげでとあるキャラを彷彿とさせるドレスでしょ?」
あれ? 俺、ノックまで再現してたの?
「んで? そのトンカツは?」
「え? 試食ならもうしたわよ? アツアツジューシーで美味でした」
姉がドヤァ~っとした顔をしてたせいもあって兄はイラッとしていたのがすぐにわかったけどとばっちりが嫌なので触らぬ神にたたりなしと心で呟いて見なかったことにした。
その後すぐに兄と姉が睨み合いが始まり、喧嘩をしている間に俺はグレン兄さんにひょいっと軽々と持ち上げ……と言うか抱っこされ、移動したソファーで膝に横向きで座らされた。
俺、扱いとして人形なの?
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