クソゲーの異世界で俺、どうしたらいいんですか？

第10章 そこのけそこのけ男の娘が通る

５

　確かにこのプレイルームは広い。暖炉ひとつじゃ賄えないくらい。
　この部屋だけで燃料の使用量が酷い気がするのは気のせいだろうか……。
　以前作ったドライヤーの魔石を壁に埋め込んでみたけど、でもこんなだだっ広い部屋で魔力のみで暖め続けろとかそれはただの拷問だと思うし……。
　暖炉はそれなりに必要であると判断したんだと思う。
　それでもね、まだまだ部屋の空き地はたくさんあるんですよ。
　用意された部屋はドンだけ大きいんだよ……みたいになってる貴方！　その疑問は間違ってない。大きすぎっす。
　主にこのお城は南向きに建てられた邸が一つだけだったんだけど、建国したことと、建国パーティーのお客様つまりは要人になるわけだけども、その方々のお泊まりの建物を増築したがゆえに東棟、南棟、西棟、北棟という見事なロの字型のお城へと変貌した。
　とは言えお城というもののシンデレラ城みたいな童話でファンタジー的な円錐形の屋根の塔がたくさんある城というよりも見た目はイギリスやフランスの宮殿みたいな感じかな。
　ディズニーランドの運営してるホテルの様な建物とでも言えば分かりやすいかもしれない。
　んでもってこのプレイルームのある場所は西棟の一階部分。
　東棟は今は閉鎖中だけどお客様が泊まる部屋を想定している。
　南はとりあえず謁見室にパーティー会場のホール。大きな厨房もあるよ。
　西は家族皆で住んでいるので家族棟とでもいうのかな？
　そして北は一回部分が馬車などを保管したりする倉庫と洗濯室。
　上の階からはヨハンやローラと言った使用人が暮らしている。
　その他にも騎士達が暮らす棟や馬屋とか色々あって敷地面積はどのくらいなんだろうね。
　んで、ここが日本だったら固定資産税はいくらになるのかが気になる今日この頃。
　あ、話が脱線しちゃった。
　えーっと、簡単に言えば一つの棟がそこら辺に建っている学校と変わらないサイズと言えばわかってくれるかなぁ……。
　それが四つ分の城とエントランス含む庭と中庭に＋α。
　んでもって学校のワンフロアがプレイルームとして俺に与えられたわけなのだが……。

　──どう考えたって金の無駄じゃね？

　俺に与えるよりももっと有効活用できると思うんだよね。
　あ、そうだ。数が半端なく多くてどうするべきか迷ってた兄が複写しまくった本を壁に陳列してみるか！
　そうすればム・ゲンさんの空間も空くし、この部屋の空きスペースも埋まる!!
　まぁ、なんというか図書館みたいになりそうで怖いけど……。
　そんなことを思いつつもオークの肉の塊をドンッとだし、厚めに２枚ほどスライスした。