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第9章 いつもより羽目を外した気がするの

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 背の高い人に挟まれて両手繋ぎロズウェルでパパ達がいるであろう会議室に向かう途中、ローラとヨハンが廊下で何やら話していたところに遭遇した。
 俺を見るなり驚くこともせずににこやかに「ルカ様は今日も可愛らしくて何よりです」と言われた。
 まぁ、先程のグレン兄さん達の「どちら様?」よりは全然嬉しい反応だったけどね?
 要望を出して良いならもう少し、もう少しだけで構わないから驚くなり何なりして欲しかったな……。
 とりあえず遭遇したからには聞いておこうとなに話してたの? と質問をしてみたところ、どうやら俺の着替えの間にパパからの命令で侍従や侍女以外にも料理人や庭師といった全ての使用人に言うことを聞かない罰として俺がお披露目パーティーまで女の子の格好をして生活することが伝えられ、その伝達係だったらしい。
 すべて行き届いたかの確認をしてたらしい。
 ローラは侍女含む全ての女衆に、ヨハンは侍従含む全ての男衆に……。
 勿論、血の繋がってないお祖父ちゃんたちにも伝えられたそうな──。
 よく漫画とかでみる外堀を埋められるってこういうことを言うのだろうか……。

「大旦那様達はそれはそれは楽しみにしてましたよ」
「女の孫はアイル様が居ますが、ルカ様くらいの可愛い盛りの小さなお姫様はおりませんからね」

 可愛い盛り……。小さなお姫様……。
 一字一句が心に刺さる気がするのは気のせいなのか?
 それとも反応をみて楽しんでるのだろうか……。
 だとしたらヨハンはドSだと思う!

「…………グレン兄さぁ~ん、兄ぃ~、姉ぇ~。僕、泣きたい」

 ウルウルと涙目で訴えたがヨハンに「お姫様が僕と言うのはいかがなものかと」と注意され、凹みました。
 そりゃもう、カウンターパンチを食らっちゃいましたよ~っ!
 ボッコボコ。うん、ボッコボコのズタボロだよ!

「うふふ、ヨハン。わかってないわねぇ。可愛い女の子の一人称が僕なのは許されるのよ。ぼくっ娘って言うのよ。そして今のルーちゃんの状態は男の娘って言うのよ」

 姉がなぜか力説と言うか説明するとヨハンではなくなぜかローラが堕ちた。
 兄がアイツ、とうとう腐女子だけじゃなく、貴腐人までも作ったな……とぼやいたのに耳を疑った。

 え、腐った婦人って腐った女子の仲間だよね?
 進化した姿だよね!

 ちなみに姉情報で男の中の男。
 オトコと表す男気溢れるような男の人が女装した姿を漢の娘オトコのコと言うらしい。
 想像するとなんか怖くね?
 例えるなら北斗の拳的ながたいの良さげな人が女装してる感じだよね?
 漢の娘、恐るべし……。




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