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第9章 いつもより羽目を外した気がするの
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しおりを挟む着替えさせられた。いや、着替えさせられた。
いやいや、侍女数名で服をひん剥かれて下着姿にされた。
ロリータというよりは白雪姫のシルエットに近いドレスをわーわーきゃーきゃー言いながら着せられた。
嘘です。わーわーきゃーきゃーと悲鳴をあげてたのは俺です。
何が悲しくて男の子の俺が女の子の──じゃなくて、女装が趣味という男子ではない俺がドレスを着なければいけないのか……。
パパ、きらーい。しばらく無視してやる!
「かーわーいーいーっ! ルーちゃん、可愛すぎる~っ!」
「ルカ様、本当に可愛いですよ」
はい、姉の欲目~っ! はい、侍女の欲目~っ!
俺はそんなお世辞には騙されま~せ~ん~っ!
姉が兄を呼んでくると片手にシザーケースを持ちやって来た。
なにやら俺の悲鳴を離れたところで聞いていたせいもあって姉のように可愛い可愛いとは言わず、ほんのり同情しているような、してないような……。
複雑というべきなの? 個人的にはそんな曖昧なものより同情してほしいよ?
そんな事を思っていたらいつものカバーを着させられ、椅子に座らされた。
銀髪を草木染めにした黄色味が少し強い金髪? なロングヘアーの殿下ウィッグを付けられた。
そして兄は何を思ったのかそこでハサミを手に持つなりザクッと切り始め、前髪パッツン。サイドの髪も束で顎ら辺でパッツンと俗に言うお姫様カットにした。
まぁ、前髪はザクッとパッツンではなく、遊びがあるというか角みたいな触角みたいなサイドに流せるように切っていた。
なんと言いますか、兄も兄で王子として生まれたけども生粋のというのは変かもしれないが本質は美容師のままだから日々勉強というか、デザインみたいなものを産み出してるんだろうね。
「あら、その髪型だとボンネットは止めましょうか。ミリアム、このドレスと色味の似たリボンあるかしら」
「はい。お待ちくださいませ」
と、ミリアムは箱を持ってきてその中からリボンを選んでいた。
そしてどうして持っているんだと言いたくなるほどに同じ色味のリボンを持ってきた。
そう言えば俺の服、リメイクしてるけどリボンとかやたら多いよなぁ……。
ミリアムの私物とか使ってるなら返してあげないとだよね。
「アイル。リボンをカチューシャっぽくするのと、髪とリボンを少し編み込むのどっちが良い?」
「両方」
「りょ」
あ、出来るんだ? みたいな顔でミリアム他侍女達が見ていたのは言うまでもない。
二本使って左右で姉と弟が協力して結ぶその姿に何故かミリアム達はメモをしてる。
なるほど、ヘアアレンジ革命が起きたんですね?
兄と姉が俺のヘアアレンジをしている間、片付けをしていたらしく終わったときには散らかったドレスや服達は居なくなっていた。
と言いたいが俺のクローゼットに陳列されていた。
そして姉に俺がまたこの世界に持ち込んだ乾燥防止の為のリップを塗られた。
そうだ、この世界は化粧という文化がないから、花や果物の天然な色を使って色つきリップでも作ってみようかなぁ。
そんなことを思っていたらいつの間にか全てが終わっていた。
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