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第9章 いつもより羽目を外した気がするの

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「うん。僕もお父さんが殺されかけたら地獄に落とすくらいには痛め付けるよ! でもさ、建ち上げたばかりの国で即座に処刑とかイメージが悪いでしょ? だからさ、逆になにもしないで放り出したらどうかな。任務を失敗した人を雇おうとする人はいないよね? 金の無駄でしょ?」
「でもな、ルー? 手を出した相手の身分を考えると無罪放免っていうわけにはいかないと思うぞ?」
「うーん。確かにそりゃそうだ。な、の、で! 僕はこの人たちに賠償金というか、慰謝料を請求します。払えないというなら体で払ってもらいましょう? 職業が暗殺者なら何らかの制限をかけてゼツさんとゼノさんに教育してもらいたいところではあるけども……。逆に生活のために手を染めた人はこの家で下働きとして安いお金で働いてもらいましょうかね」

 ニッコニッコしていると姉がケタケタと笑っていた。
 部屋にいた侯爵のお付きの人が俺の台詞にドン引いていて面白かったらしい。
 なので俺の言いたいことを姉が肉付けしてくれてパパ達に正確に伝えると兄もこの部屋のなかにいる半数近くが理解してなかったことに笑っていた。
 逆にちゃんと理解していたお父さんは足蹴にしてた人も含めて脅してましたけどね。
 俺(ルカ)の温情を裏切った奴は確認され次第、その人のみならず家族、親類、知人や顔見知りの奴は全て殺すと言ってました。
 言葉の表面しか読み取れない残念な侯爵のお付きの人が引いてるけど、内容は嘘だとは思う。本当に殺しはしないはず。
 たぶん、この人達は確実に自分の命が底辺だからだと思われる。
 知人や顔見知りまでを含めたのは天涯孤独と言うのを盾にまた好き放題されたら面倒だからかな?
 こんな金に困って悪さするにしたって知人の一人や二人はいるでしょ?
 自分がもし裏切って逃げたとしても顔見知りなだけなのに殺されると言う恐怖はすごいと思うんだよね。
 逃げる人は逃げると思うけど、この国からは逃げられないと思うし?
 俺の王都での発言で国の境目に魔法で作り上げた刑務所並みの高さの塀が築かれたらしいし?

「あ、そうだ! 頭……は何度も繰り返したら流石に馬鹿になりそうだし……。首……は死に直結して逆に本望だとか言いそうだし……。足は何でか意地でも逃げそうな気がするし、腰は食べたものを吐かれたら嫌だなぁ……。手首……は最悪壊死しても……いやいや、手がないと仕事にならない可能性があるし……、やっぱり頭? 頭がベスト? やっぱり頭に戻るのか……」

 一人で思案しているとお父さんや兄でさえ俺の呟きにドン引き。
 姉はどういうことかと考えていたそうな──。




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