392 / 475
第9章 いつもより羽目を外した気がするの
12
しおりを挟む「うぅーわ、マジか! 父さん、チョロくね?」
「お父さん。ルーちゃんの髪だけであの恐ろしい真っ黒様を抑えられるとかチョロすぎよ?」
「チョロいとか……。お前達、少し酷くないか? まぁ、俺もビックリしたけど……」
ん? 通常に戻ったからなのか、床に下ろされたお父さんはなぜか俺を抱っこして高い高いをしてくれた。
なんかえらくご機嫌だなぁ~っ!
壁に張り付き、遠くこら見守っていたパパが兄達に説明を求めるとお父さんがオリバーに行き、修行が始まったのだがなんか現代の便利なものがないせいで効率が悪すぎてストレスをためていき、ゼノさんのお兄さんがもう無理だ~っ! と新しい町を建設中の兄達を頼ってきたそうだ。
なんでも屋敷の侍従やら侍女やら、料理人やら全ての人を魅了していったようで、無法地帯になりつつあり自身もヤバそうなのでお父さんを一人馬車に押し込み、自分も別の馬車に乗ってやって来たそうな。
兄と姉がお父さんを目で確認した瞬間にこれはヤバイと感じたらしい。
マリウスさんにちょっと城へ戻ると言うと彼も見た瞬間に理解したらしく送り出してくれたそうだ。
でもお父さんを他の人に見せると余計ヤバイので、この城とお父さんの住む屋敷を繋ぐ地下トンネルを掘ってやってきたそうだ。
王都脱出のときのように兄が馬に乗って先行で進み、トンネルを作り、お父さんと姉は乗馬に不安があるため即決でレールを魔法で作り出し、それと同時に手押しのトロッコを魔法で作成した。
え、何そのやらかし案件!
姉がレールを敷きつつ、グレン兄さんとアンドレアさんが無心で漕ぎ続けたらしい。
「まぁ、なかなか愉しかったですよね」
「だな! いい運動にもなったし!」
…………何て言うか体力があり余ってる人の感想でした。
あの距離を手漕ぎかぁ……と、俺はドン引きしましたけどね!
「えーっと、つまりはあの町と地下トンネルで続いてて、尚且つトロッコで移動できると言うこと……でOK?」
「簡単に言えばそうだな。でも流石に体力はいるだろうなぁ……。今回の運転手達は体力がモンスター級な訳だし?」
その瞬間、ハッと閃いた俺はお父さんに頼んで床に下ろしてもらうと使い道がよくわからない大量の魔石を取り出した。
そしてお父さんの鑑定スキルで電気の代わりになりそうなものを見つけてもらうことにした。
「兄。兄は確かマイ○ラの赤石回路が得意だったよね?」
「ん? んー、まぁ、得意っちゃ得意だったけど……。あれを再現は難しくないか? そもそも電気系の魔石で電車は無理だと思うぞ?」
出来なくても良いのです! だって実験だし! 石は溢れるくらいあるし?
15
お気に入りに追加
3,566
あなたにおすすめの小説
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

どこにでもある話と思ったら、まさか?
きりか
BL
ストロベリームーンとニュースで言われた月夜の晩に、リストラ対象になった俺は、アルコールによって現実逃避をし、異世界転生らしきこととなったが、あまりにありきたりな展開に笑いがこみ上げてきたところ、イケメンが2人現れて…。

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
悩める文官のひとりごと
きりか
BL
幼い頃から憧れていた騎士団に入りたくても、小柄でひ弱なリュカ・アルマンは、学校を卒業と同時に、文官として騎士団に入団する。方向音痴なリュカは、マルーン副団長の部屋と間違え、イザーク団長の部屋に入り込む。
そこでは、惚れ薬を口にした団長がいて…。
エチシーンが書けなくて、朝チュンとなりました。
ムーンライト様にも掲載しております。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

【完結】記憶を失くした旦那さま
山葵
恋愛
副騎士団長として働く旦那さまが部下を庇い頭を打ってしまう。
目が覚めた時には、私との結婚生活も全て忘れていた。
彼は愛しているのはリターナだと言った。
そんな時、離縁したリターナさんが戻って来たと知らせが来る…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる