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第9章 いつもより羽目を外した気がするの

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「ルカ。ルカは本当にこんな小さな体で頑張ったねぇ~。偉い、偉い。後はお兄ちゃん達が帰ってくるのをのんびりとこの城で一緒に待とうねぇ」
「うん! パパァ~、僕はさすがに疲れちゃったよぉ」
 
 もっと褒めて、もっと撫でて、もっと甘やかして~……。
 と口には出さないがパパのお腹におでこをスリスリして甘えてたらさすがにくすぐったかったのか抱っこしてくれました。
 やっぱりパパの抱っこは安定感と言いますか、安心感が半端ないです!
 ……………………んでもってこのまま俺の壁と言いますか、守ってくれるとありがたいです。
 パパの背中越しだけど鬼の形相をしたママにめっちゃ睨まれてんだよね。
 あぁ、これが般若の仮面の基になった顔かぁ~なんて思っちゃうくらい完璧な般若顔。
 と言うか久しぶりに会ったけど、ママは痩せたねぇ~……。痩せたけど、全盛期と比べたらまだまだだねぇ~……。
 倦怠期だっけ? あ、違う。倦怠期とかウケるわ。
 えーっとダイエットの天敵は停滞期? だったよね。
 体重が落ちにくくなる停滞期。もしかしてそこに突入でもしたのかな?
 だから頑張ってるのに体重は減らないし、減らないからお菓子も食べれなくて更にイライラ的な?
 ダイエットをサボらないようにパパの執務室の一角で縄跳びとして休憩はお茶をしつつ王妃の仕事。
 どちらかと言えば休憩ではない。
 こうなったのも縄跳びを作った俺が全て悪い……的な?
 うわぁー、あーりぃーえーるぅー……。

「パパァ、ママがこっち睨む。こわーい」
「え? あぁ、そっかそっか、怖いかぁ~。ごめんねぇ~……」

 なぜか抱っこは解除されず向きを変えられて俺の目に入るのは侯爵含むガルシアの人たちだった。
 抱っこの間はパパの右手が手持ち無沙汰なのか背中をポンポンと優しく叩くんだよね。
 これって寝かしつけなの? 寝かしつけなのか? 寝かしつけ──だよね?


 え、寝ていいの?


 なら早速おやすみなさぁ~いと目をゆっくり閉じようとしたらテオドールさんがパパを諌めるように「そのままだとルカ様が眠ってしまうのでやめてください!」と注意したのでパパの手がピタリと止まってしまった。
 くっ、さすがは俺の家庭教師。パパに言うとか酷いことをしやがるですよ。
 テオドールさんめぇ~っ! だが残念でした~っ! 俺、どこでも寝られる子なんでぇ~す!
 もちろん枕が変わっても無くても寝られるよ。
 そしてもう寝る準備は整ったので起きろと言われても無理な話です。
 では、お休みなさい。

 覚えていたのはそこまででした。

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