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第8章 戻ってきた日常……?
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しおりを挟む「ねぇ、ゼノさん。そう言えば今更なんですけど、いや一応は気にはなってたんですけど、個人的には聞きにくかったと言うか、そのですね……。えーっと、うん、ジェラールさんなんですけど、ガルシアに帰らなくていいんですかね。そりゃあ、ちょこまかと報告のために帰ってますけどすぐに戻って来るでしょう? 旦那さん……じゃなかった。ジェラールさんの押しかけ彼氏は元魔導師団長でしたよね? ガルシアで嫁不足の為に干からびてないと良いなって思ってるんですけど……」
「あー、サーシャ? 特に気にしたことなかったけど言われてみれば確かにそうだよなぁ……。フォーリス国に居たときはずっと引っ付いてたもんな。ジェラールは今日は定期報告のためにガルシアへ帰ったけど、それでも今日の夜にはここに戻ってくるだろ? まぁ、アイツはアイツで前侯爵から侯爵のお目付け役を頼まれたかなんかだろうしなぁ」
「へぇ、そんなにやんちゃなんですか、あの方は」
そう言うとスッと紙を出されたのでそれを見るとゼノさんの手書きの報告書類。
いつもながら分かりやすく、なおかつ詳しく書かれているなと感心しつつも読むにつれパパと同族と判断することにした。
なるほどねぇ。じゃぁ、今頃は……。
「退院までジェラールさんに見つからないように隠れながら必死に書き写してるんですかねぇ~……」
「かもなぁ……」
「個人としては退院後、暇潰しのために差し上げたいんですけどね。そして誰かが医療の発展のために動いてくれたら僥倖。僕は晴れて医療に関わらなくて済みます」
ニコニコと笑っていれば即答で「そりゃ無理だね」と言われた。
即答とかなかなか酷い従者だなぁ……。
「お前が命を救って退院した元患者達がお前の事を周りになんて言ってるか知らないのか?」
「うーん、第一王子の優しさにつけこんだ詐欺師? 馬の骨?」
思い当たる単語をつらつらと並べたら絶句されました。
確かに俺自身で言う分には良いけど他人からは言われたくないなぁ……。馬の骨とか雌狐とかさ……。
「おまえ、もしかしてまだ古参の使用人に言われたことを根にもってんのか?」
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「忙しくてそんなの忘れてたよ。まぁ、彼らも僕に一切近づいてこないからハッキリ言えばどうでも良いよ。争い事もなく平穏で静かなんだから別に良いじゃない。気を使うのも使われるのも疲れるし、正直に言えば邪魔だし」
はい、この話は終わり~と話を締め切り、ゼノさんを送り出すと伸びをして部屋へと戻ろうとしたが気が向いた。
とりあえず侯爵の部屋を横切ってみたら中はドタバタとしているようだ。
ふぅーん? なんだか凄く忙しそうだけど気にしたら負けだよね~♪
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