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第8章 戻ってきた日常……?
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しおりを挟む「なるほど。ではこちらの方もここへ残るんですよね? ではミリアム。──いや、そんなあからさまに嫌そうな顔はしないでくれないかなぁ……。えーっと、すまないけどこの方たちに侯爵の世話を頼もうと思うので今日は付きっきりで世話の仕方を教えてあげてください。今日だけではなく彼らがちゃんと覚えるまではミリアムがフォローしてあげてくれるかな。後、ジェラールさんは侯爵が胸が苦しいとか呼吸が苦しくなるような姿は見ていないとのことなので薬も今飲ませちゃいましょう」
「はい。お任せください。とりあえずこちらの方々は第三王子であられるルカ様を何故か格下に見ている世間知らずな大人みたいなので、まずはそこから徹底的に教育をしますね」
手加減はしてやれよ? とは思うが毎度毎度顔を会わせたら絡まれるのは嫌なので任せようと思う。
しかもジェラールさんもミリアムに対して「こちらがやらねばならないのにご迷惑をお掛けします。是非とも徹底的にお願いしますね」と何をしても目をつぶるようで、それを理解したミリアムは物凄くやる気に満ちていた。
もしかして殺る気に満ちてる……なんてことはないよね?
それにしたって、なぜミリアムは俺に関しては容赦ないのかなぁ……。
跡取りのグレン兄さんにですらここ最近は特に容赦ないんだけど? 俺、ミリアムにそこまでしてもらうほどの人間じゃないと思うのよ。ちょっぴり困惑しちゃいます。
「あ、そうでした。ミリアムが後で詳しく説明をするとは思いますが、先程あなた方が激昂していたベッドがこの小さめのサイズなのは患者の世話をするのが楽だからですよ。見栄よりも機能性が大事ですのでそこはご了承ください?」
「ルカ、増えた人数の部屋を用意しないと……」
ゼノさんに何故か抱っこされた。
俺、前世はぬいぐるみにつくもった何かだったのかな。
室内なんだから風に飛ばされたり、石に躓いたり、行き倒れたりなんてしませんよ?
下ろして運動がてら歩かせてはくれませんかね──。
そんな執務室までの抱っこ移動を無事に終え、部屋でお茶をしながらジェラールさんに人数を聞くと俺はそのまま増員分の部屋を作りに行った。
そして作成中に侯爵が連れてきた方々をジェラールさんに食堂へと集めてもらい、ゼノさんが俺の代わりに説明をしてくれたそうだ。
それこそ基本的なうがいから何から何まで──。
なんかゼノさんが有能すぎて俺、やることなくなってダメ人間になっちゃいそうだよ?
因みに後から聞いた話だけど、診療所の専属料理人なユリアンが重いものを持てる男手と野菜の皮剥きなど雑用が得意な女手が増えて喜んでいたとかなんとか──。
よし、いつも頑張ってくれてるご褒美に酢豚の作り方を空いた時間にでも教えてあげよう!
あー、リラクニングの病院のベッドが欲しいなぁ……。
……あ! 侯爵のために大きめのクッションを用意してあげないと……。
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