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第8章 戻ってきた日常……?

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「ルカは本当に女──と言うか侍女達の心を掴むのが上手だなぁ~……。それはそれで将来が心配というか……。うーん……」

 あの後すぐに何故か逃げられないように抱っこでパパの部屋へ連行されました。
 椅子に座ったパパと机に挟まれて膝に座らされてますが、そろそろ俺の体を解放してはもらえませんかね。
 いや、パパの胸や腹の筋肉が俺の背中や頭にフィットして、尚且つ温かいので苦ではないですけどね?
 お尻に敷いているパパの脚の筋肉もほどよい弾力と硬さで座りやすく、オーダーしたら高額間違いなしの超高級チェアーだと思うけどね?
 下ろしてくれないかな。んでもって女好き……じゃなかった。
 人を軟派者みたいに言わないでください。

「それだと僕がモニカ達みたいな大人の女性をタラシてるように聞こえるのでそこはフォローが上手とかにしてもらえませんかね……」
「うーん、フォローと言うよりも──やっぱり心を掴んでる気がするよ? 餌と言うわけではないけどさりげなくご褒美をあげたりね。かといって凄く甘やかしてるわけでもないしね」

 今回は凄く甘やかしましたけどね!

「そもそもママがあんな馬鹿なことを言わなければあそこまでしなかったですよ。ママが少し休んでる間にササッと食べるようにクッキーを数枚あげるか、自堕落に過ごした結果、好感度の下がったママが運動後でも元気ならママの手から渡してもらうつもりでいましたけど、なんかそれは無理な気がしてきました。手元に菓子があったら食べちゃいそうですね」

 ママってあんな人でしたっけ? と呟けばパパも困惑したような顔だったので新たな一面と思うことにした。
 と言うかそう思わないとやってられないし、ストレスがスゴすぎるのよ。
 正直に言おう。今のママは個人的に大嫌いである。
 嫌よ、嫌よも好きの内とかやっぱり幻想だよね。
 現に好きであったが故に度を越えた今は大嫌いな人間がここにいる。
 嫌だ、嫌いと言って相手にまたまたぁ~なんて言われようものならばビンタくらいしちゃいそうです。
 アニメでよくある虫けらを見るような目で見ない俺は偉いと思うの。

「こんなに幼いルカが頑張ってるのにママはどうしちゃったんだろうねぇ」

 蝶よ花よと持て囃した昔のママを思い出しているのだろうか……。
 持て囃す時点でダメな気もするけど、俺の頭を撫でつつどこか遠いところを見つめているらしいパパに若干の同情をしつつも俺を否定もせずにキッパリと幼いと言い切った事に腹が立つ。
 そりゃね、パパと比べたら子供の俺は幼いよ。幼いさ!
 でもね、背がすっごく低くたってこの世界では13歳(仮)の人間なのよ?
 まぁ、胸を張って大人だと言えない年齢だけども──。



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