クソゲーの異世界で俺、どうしたらいいんですか?

けいき

文字の大きさ
上 下
351 / 475
第8章 戻ってきた日常……?

47

しおりを挟む

「そういえば奥様も私も嫁いでから一度も顔を出してませんねぇ……」
「モニカだって家族に会いたいよねぇ? ほら、会いたいって! よし、思い立ったが吉日って僕のいた国の素晴らしい言葉があるんだけど、思い立ったし今から準備しようね! うんうん、吉日だもんね。あ、お土産とか必要かな? 手元にはもうクッキーはないから……うーん……。日持ちしそうなもの、日持ちするもの……」
「いやぁぁぁぁっ! やめてぇ~っ!」

 もっと言ってやれ追いつめようと応援を求めるようにモニカに会いたいよね~? と言ったとき彼女ではなくヨハンが笑顔でした。
 それは更にもっとキツいことを言えと言う指示ですか?
 ママはさすがに家族(特に母親)や友人にどん底までけちょんけちょんに言われてダイエットを決意してくれたら僥倖だと俺だけではなく全員が思ってると思いますが──。

「あぁ、そうだ。ルカ、どうせなら招待をしたらどうだろうか……。春にはこちらにいらっしゃる予定だし、爵位はたしかサラの兄君に大分前に譲ったらしいしね。老体に長距離を行ったり来たりは面倒だろうし、体にも良くないだろう?」
「それもいやぁぁぁぁっ!」

 ワガママだなぁ、この人……。
 これもいや、それもいや、あれもいや、どれもいや。
 イヤイヤ、イヤイヤ、イヤイヤ、イヤイヤ……。
 言葉悪いけど、マジ黙れ!

「ねぇ、ママのそれは赤ちゃんのイヤイヤ期なの?」
「え……」
「イヤイヤ、イヤイヤばっかり言ってさ! なんなの? 一回死ねば治るの? 楽に死ねるように毒を用意すればいいの? それとも記憶喪失になる? 心を鬼にして頭めがけて岩を投げつけようか? ママはさ、グレン兄さんって言う大きな子供がいる母親なんだよ? もういい年齢の大人なんだから夢見る女の子は卒業して現実をちゃんと見なよ! はっきり言って義理とは言え、僕の母親です~って誰かに紹介するのはものすごく恥ずかしい。それで僕の今の言葉を聞いたママに聞きたいんだけども、子供にここまで怒られるって恥ずかしいとは微塵にも思わないわけ?」

 あれ? 今日は怒ってばっかりだな、俺は。
 俺のマジギレ説教により部屋は無音。
 何故かママだけでなく全員がポカーンとしていた。
 養子の分際でとか言い出したらお父さんの子供になるからいい! そんな気持ちが溢れてたからなのかパパも言い過ぎだよ……とか一切言わなかった。
 パパの俺の養子解消云々に対する回避能力が日々向上してるのは何でなのさ!

「なにも言わないなら話を進めるからね。ママが今から選べるのは三つのうち一つだけだよ」

 一、暫く実家へ里帰り。
 二、帝国にいるご家族をご招待。
 三、説明は長くなるので割愛しますが、先程パパに説明したもの+サボったりやりたくないなど駄々をこねるのがトータル10になった時点でご褒美は無しで、強制的に里帰り。

 あとで聞いた話ですが、ゼノさんいわくママへの説教から選択肢までの流れに関して全員がお前のこと「鬼!」っ思ってたぞ──と笑ってました。
 鬼で結構だよ。お相撲さんもビックリなあの我が儘ボディが消えるならば自ら進んで鬼になりますよ!
 とにかくママは三番を選びまして──てか、三番しか選ぶものかなかったから仕方ない。
 



しおりを挟む
感想 410

あなたにおすすめの小説

若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!

古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。 そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は? *カクヨム様で先行掲載しております

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた

翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」 そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。 チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

どこにでもある話と思ったら、まさか?

きりか
BL
ストロベリームーンとニュースで言われた月夜の晩に、リストラ対象になった俺は、アルコールによって現実逃避をし、異世界転生らしきこととなったが、あまりにありきたりな展開に笑いがこみ上げてきたところ、イケメンが2人現れて…。

悩める文官のひとりごと

きりか
BL
幼い頃から憧れていた騎士団に入りたくても、小柄でひ弱なリュカ・アルマンは、学校を卒業と同時に、文官として騎士団に入団する。方向音痴なリュカは、マルーン副団長の部屋と間違え、イザーク団長の部屋に入り込む。 そこでは、惚れ薬を口にした団長がいて…。 エチシーンが書けなくて、朝チュンとなりました。 ムーンライト様にも掲載しております。 

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

【完結】記憶を失くした旦那さま

山葵
恋愛
副騎士団長として働く旦那さまが部下を庇い頭を打ってしまう。 目が覚めた時には、私との結婚生活も全て忘れていた。 彼は愛しているのはリターナだと言った。 そんな時、離縁したリターナさんが戻って来たと知らせが来る…。

処理中です...