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第8章 戻ってきた日常……?

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「ルカ、今日はパパと一緒にご飯を食べようか……」
「え……嫌です」

 つまりはいじめっこコイツらの作ったご飯でしょ?
 美味しくないから嫌だね! 死んでも嫌だね!
 断固拒否! 閉店のためシャッター下ろさせていただきます。

「じゃぁ、アンリに作ってもらうから……」
「パパ、なにアッサリと死刑勧告してるの? そんな無責任と言うかデリカシーのないこと言うから料理人さん達が今にも死にそうな顔してるじゃない。僕はこの人達の敵だから気にせずに何でも言うけど、中立であるべきパパは彼らの気持ちをないがしろにしちゃダメでしょ」
『え……』

 え……ってヨハンまで変な顔しないでよ!
 まず仮だけど王さまなんだから私情を優先しないで欲しい。
 王様=国家元首。つまりは議会とか作らないならアメリカ大統領みたいなものでしょ? いや、アメリカに議会あるけどさ。
 大統領は国家元首であり、首相も兼ねる。
 そんな一国一城の主が私情で動くのは如何なものかと?
 王族や貴族なんて税金で取り立てた金がなければ暮らしていけないのだから、自分の子供よりもまずは弱い人間を守りなさいよ。
 権力は弱いものを守るためにあるのだから。

「強いて言えばここの人たちは保守か革新かと言えば保守的な人たちなのだから得体の知れない子供が養子に成りました。はい、そうですかで簡単に終わらせられるものだと思ってるの?」

 あーだこーだと何故か急にパパを叱りつける子供に皆がなんとも言えない顔をしていると部屋になんとも能天気なママがやって来た。

「ルカちゃぁーん。お菓子、お菓子を頂戴。お菓子~っ! 鬼がいない今がチャンスなのよ!」
「は? 嫌です。デブの素をどうしてダイエットしてるママに手渡さなきゃいけないんですか? そこのところを誰もが理解できるように詳しく説明してもらえますか?」

 ニッコリと一刀両断するとママは床に崩れ落ちた。

「だって、だって……」
「いい大人が『だって』とか言わない! まず自分の年齢を考えてくれますか?」

 ピシャリと一喝すると部屋は更に静かになった。

「えっと、ルカ? 気が立ってるとはいえ、サラは無関係なんだからもう少しやんわりと……」
「パパが甘やかすからこんな子供みたいな大人になったんでしょう? これがこれから国母になる人の言動ですか? 人前に出して恥ずかしくないと胸張って言えるんですか? あー、言えるんですね? それは失礼しました。 僕の目にはどこに出しても恥ずかしい王妃にしか見えなかったもので……。ならこの場所にクッキーの山でも築きますかね? それにしても今の倍以上に膨れ上がったママがパパの好みとは知りませんでした。気づくのがかなり遅くなり、大変申し訳ありませんでした」

 クッキーをドンッと出し、更に出し、更に更にと出して山にすると俺はゼノさんとミリアムを置いて一人で部屋を出た。




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