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第8章 戻ってきた日常……?
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しおりを挟む「ルカです。お呼びになられ──あぁ、パパ。呼んだ?」
養父とはいえど王さま(予定)のいる部屋だからね。
丁寧な言葉を使って中に入れば、部屋には要人は一人もいなかった。
なんだ、猫かぶりは損したな──なんて思いつつも普段のように話すとソファーに座らされ、出されたお茶を飲んだ。
「まぁ、話と言うのはね……」
「あ! もしかして新しい町の進み具合の報告かなにかですか? 雪もちらついてるし気になってたんです」
ニコッと笑うとパパと側にいたヨハンやローラ達筆頭に王都にいた使用人達に俺と一緒に来たゼノさんは苦笑いしていた。
部屋にはそれ以外にもたくさんの人がいるのだから無視してやるなよ……と言う意味かな?
まぁ、気になんてかけてあげませんけどねっ!
「それで、お話ってなんですか? 僕、春までにアンリ達にして欲しいことが山積みなんですけど──」
その言葉にパパは本気でドン引いていた。
まぁ、この部屋には騎士は居ないものの厨房の料理人に侍女といった使用人全てが押し寄せている。
仮にも王さまになる人に対してやることじゃないと思うのは俺だけなのか?
「ルカの依怙贔屓が過ぎるんじゃないかと言う訴えが多数上がっていてね」
「依怙贔屓? はて、どんなものでしょう?」
僕、わからないや~と笑っていると更にパパが引いていた。
「わかってるような顔をしてるくせに一から説明しないといけないのかな……?」
使用人と俺の間に立たされたパパの気持ちはわかりますけどね、ちょっと優しすぎやしませんかね。
使用人とは家族ぐるみといえどもコレから国家になるんだよ?
そんなことを思いつつも苦し紛れに言ったパパにヨハンがいたたまれなくなったのかわ手元にあった陳情書なのかな? 紙を見ながら苦情を淡々と読み上げた。
・部屋にローラとミリアム以外の侍女を入れない。
・アンリとユリアンが仕事をしないのはルカ様のせい。
・王都から帰ってきた者達との接し方の違い。
等々まだまだ罪状らしきものを読み上げるヨハンに少し同情した。
「……で? それが依怙贔屓ですか?」
「ルカ様、ちゃんと聞いてたんですか!?」
と、冒頭に戻るわけですが、俺がパパに依怙贔屓なの? と聞くと大勢だからなのか気が強くなったらしく誰かが「グレン坊っちゃんが優しいからって馬の骨がつけあがってんじゃねぇよ!」的なことをいったら流石にパパがキレました。
今言ったの誰だ! と今度は犯人探し。賑やかだなぁ……。
「ゼノさん。僕、馬の骨だって~♪」
ケラケラと笑っていると彼はため息をついた。
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