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第7章 ○○ストーリーは突然に

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 皆で帰り支度を始めたのだが、兄や姉。そしてマリウスさんたちも含めてパパ達の家へ向かうにあたってどうするかと悩んでいたら兄が同じ形の幌馬車を2つ出した。
 おぉ! 複写しておいたんですね、さすが兄です。
 馬は俺たちがこの森まで乗ってきた4体。そして兄達は元々馬車だったらしいので兄達が連れてきた4体。そして餌達の馬が居る。
 あ、無事全員連れて家に帰れるじゃん! と皆が思ったらしく、それぞれ馬車に乗り込むと出発をした。
 因みに御者はゼツさん、ジェラールさんと師団長。
 女性の方には姉と俺。餌の方にはマリウスさんと兄が乗り込んでいる。
 パパとグレン兄さんは騎乗して先を走っていた。

「あれ? なんだかいつもより城が騒がしい気がするね」

 セツさんの言葉に俺と姉がひょこっと顔を出すとなんというか、映画で見たことのある戦場のようだった。

「そんなボロボロになってどうしたんだ? 出掛けてる間に一体何があったんだ?」
「ハ、ハイネ様! そ、それが若い男女2名が急に襲って来まして」

 門のところに居たわりには何て言うか兵士と言うか騎士の姿はボロボロ。そしてどうしてなのか疲労困憊といった顔をしていた。

「ん? 若い男女だと? しかも2人のみと言ったか? 相手はたったの2人なのにこの状態なのかっ?」
「は、はい……。で、ですがその……。異常なほど強く……。見たことのない戦い方で翻弄されてしまいまして……。スミマセン!」

 パパとグレン兄さんは馬から飛び降り、馬車から顔を出して様子を伺っていた俺に中は危険だからルカはここで待ってなさいとパパが告げたときに姉のスマホが鳴り響いた。
 まぁ、もちろん中国の国名の変化を暗記する為に歌ってたもしかめさんですけどね?
 改めて自分の歌声を聞くとやっぱりこっぱずかしいわぁ~……。
 い~んしゅ~うしぃ~んかぁ~ん♪……って懐かしいなぁ。

「いやぁ、ルーちゃんのもしかめってやっぱり和むわぁ~……。この歌にどんだけ癒され…………は?」

 姉の困惑した顔をみて俺もそっと覗くと、その画面には【愛ちゃん! ルーちゃんもヤッくんもお城にいねぇじゃねぇか! もう夜だろうがっ! とにかく一刻も早く帰ってこい!!】とお母さんの激オコなメールが表記されていた。
 可愛げも何もない命令口調に男言葉。そして絵文字も顔文字もなにもない事から察するにこれは激オコである。

「愛流、なんか今さ? 父さんから激オコなメールが来たけど……。激オコと言うかカム着火というか……。静かな噴火というか、ヤバイやつ」

 馬車から降りて側にやって来た兄のスマホを見ると【早く帰れ!】と一言書かれていた。
 うわぁ、こっちもこっちで絵文字も顔文字も無く、果ては短文。一言のみとか……。
 お父さんはお母さんよりも怒ってるっぽいわ……。

 怖っ!!




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