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第7章 ○○ストーリーは突然に

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「ほら、私は職業柄って言うか詳しいジャンルがあるでしょ? それにほぼ水の属性だから血管とかリンパを使って毒にもならなそうな聖魔法で体の内から浄化みたいなことが出来ないかなと思って……」
「……けっかん? りんぱ?」

 マライアさんははじめて聞く単語なのか首をかしげ、俺と兄はそう簡単にいくものなのかと首をかしげていた。
 そして治療のようなものが始まってしばらくした後、姉が言うには上半身は異常なく、下半身に入ろうとしたら彼女が苦痛を浮かべたからもしかしたら子供がいる可能性が高いのかしら……と呟くとマライアさんは青ざめてしまった。
 なんかよくわかんないけども思い返せば月のものが最近なかったらしい……。
 目の前で発作のようにマライアさんが発狂と言うか取り乱し始めると姉が困ったようにしつつも覚えてる範囲で何ヵ月来てないのか冷静に聞いていた。

 そして判明したのは約二~三ヶ月とのこと。

「今ならダメージは少ないかしらね……。人間と同じ十月十日ならこれから子宮の中で形が作られていくはず……? 私は医者じゃないし、生涯独身だったからよくわからないけど……」

 これに関してはお母さんのが詳しいんじゃないかなぁ~と思ったので素直に言えば姉も兄も同じ意見だった。
 でもこれから日にちをかけると細胞分裂で成長も進むはずだからマライアさんの精神面が気になるとも言い、俺は黙って兄を背もたれにして空を見つめた。

「あ! 兄、前に引きこもりしてた湖でさ、彼女達を治療したらどうかなぁ……。あそこなら絶対に人目につかないし、静かだし……」
「うーん、それは構わないんだけどな? あの静かさに慣れると人との関わりが面倒になるぞ? 俺やルーみたいに……」

 それは確かに! 思わず納得する姿に姉はクスクス笑い、少し落ち着いたのかマライアさんにも少し笑みが戻った気がした。

「ルカ、そろそろ帰らないといけない時間だよ?」

 遠くからパパがそう言うので「やだ!」と大きな声で言うとゼツさんの笑い声が聞こえたがすぐに「ぐはぁっ!」とも聞こえた。
 もしかして笑ってたからパパに殴られたのかな……と思っていたら兄にポンポンと頭を叩かれた。
 そして姉にちょっとここは任せたと言うなり立ち上がると俺を抱っこした。
 姉は兄の行動に対してなにするつもりなのかと質問すると、とりあえずパパさんの言い分をルーに聞かせるためにあっちに行ってくる……と兄が言うと姉もマライアさんですら納得していた。
 俺だけがなぜか納得していないと言うなんとも言えない状況でした。
 パパ達のところへ行ってみれば嫌でも目につく犯罪色の強い餌とその他の姿。
 そう言えばどうやってこの人を確保したんだろうかと思わずじーっと見つめてしまった。

「ルカ? どうしたんです?」

 側に来たのはグレン兄さんで俺は思わず首をかしげて思っていたことを口に出すと兄含めて捕まえた人たちはなんとも言えない顔をしていた。

「あー、ソレ? 今聞く?」

 その言葉に俺は嫌な予感を感じたので咄嗟と言うか「嫌な感じがするから、今でなくてもいいや」と言うと兄もなぜかホッとしていた。
 なるほど、そんなに話したくなかったんだね。
 だって兄だけじゃなくてマリウスさんもジェラールさんも師団長さんも全員がホッとしてたもの……。




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