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第6章 (仮)異世界で開催!超会議(嘘です)!!
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しおりを挟むいやいやいやいや!
どれくらいかかるのって聞いたのに『かなり』『そこそこ』『早い』じゃないよ~……。
日にちを聞いてるんだよぉ~っ! と、思いつつもそうなんですか? と返した俺は偉いと思うの。
「それで? 何日くらいかかるものなんですか?」
「リュウ。リュウならわかりますよね? 馬車に座っているだけとは言え、旅は過酷と言うことは……。そもそも買い物は家に商人を呼ぶほど外になんて出ない貴族や王族が舗装のされていない道が与える揺れなどの苦行に耐えられると思いますか?」
あー、そう言えば旅で兄が魔法で作ったお手製の衝撃吸収マット(座布団)を敷いたんだっけ?
あと、他の人には内緒だけどパパに現代から持ち込んだ酔い止めを使用したのだったか……。
貴族様の旅と言うと町についたら数日休んで出発を繰り返すのが当たり前らしいよ?
気持ち的にと言うよりも先に口が出てしまって「マジか!」と言ってしまったのは見逃してください。
「えー? でもそうなると餌が来るのにすごく時間がかかるってことだよね!」
「まぁ、そうですかね……。野営しなければもしかしたら2ヶ月以上はかかるかもしれないですね……。今の時期はまだモンスターが出没したりしますからね……」
──ちょ! それはマジで困るんですけど~っ! 暇ーっ!
◆
「え? 餌?」
夜ご飯中。くっそまっずい料理に俺がチマチマ食べているとグレン兄さんがあーんと無理矢理口に突っ込んできたので睨みながらモグモグした。
「あぁ、うっかり忘れてたよ……。えーっとソネミィ様はシルヴェスター殿下が城に居ないのを嗅ぎ付けたのか既に後を追うように城を出てるみたいだよ? しかもちゃんと帝国側を通ってね」
城に居ないのに気が付いたのが数日経った後だったらしくて、追い付けなかったそうだ。
しかも残念ながら彼は生まれは王族と言えど認知されていないために母方の家の者として扱われているらしい。
でもそれってさ、腫れ物扱いって感じなんじゃねーの?
母方の家は王様に嫁げるのだから高位の貴族なんだろうけど、その家の直系ではないので後すら継げないと言う少し可哀想な立場なのだが、自由に使える金が少ないせいか雇える兵士の数も能力もそれなりなので時間がかかっているらしい。
なんかさ? 国から出てしまった以上、既に除名されているのではないかと思ってしまうのですが──。
「うぅ、料理が美味しくない……」
「そりゃ、ルカやヤトが作ってくれた料理と比べたら不味いだろう」
「違うもん。アンドレアさんの家より美味しくないんだもん……。アンドレアさんの家の方が絶対に美味しいもん……」
と拗ねたように言うとゼツさんも同意してくれた。
何て言うか、塩分は少な目なのかもしれないけど、アッサリすぎる。
料理人はもしかして見てないところでサボっているのだろうか──。
それとも取り憑いたマサカルドの余波?
え? まさかとは思うけどマサカルド現役時代の料理とか?
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