クソゲーの異世界で俺、どうしたらいいんですか？

第６章 （仮）異世界で開催！超会議（嘘です）!!

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　いやいや、つまらないってお父さん？
　あの治療の痛みもなにもなくて俺としては──いえ、患者サイドとしてはとても嬉しいのですが……？

　──あれ？　もしかして現代の医療従事者ならガンとかもしかしてヒールで治せるのでは？
　えー？　なんか凄いけどヒールで治せるかもって言うのがなんかヤダなぁ～……。
　せめて──そう、せめて……。

「中級いや、高級回復魔法で荒稼ぎしたい」
「ん？　何が魔法で荒稼ぎ？」
「えっ？」

　俺が死んで離れ離れになっている間に、お、お父さんがエスパーに進化してた！
　なにそれ！　俺の心の声が聞こえるとかヤバイ！
　思わず目を見開いてお父さんを凝視したら兄が遠くからダッシュして俺を抱っこして頭を軽くゴンッと叩いた。

「ルー。お前は無意識に声に出してるの気を付けなさいって、何度も何度も言ってるよな？　ここら辺でマジ止めとけ」
「えっ！　言ってない！　言ってないよ！　お父さんがエスパーになったかもなんて言ってないよ！」
「その前の荒稼ぎの話だよっ！　なんだよ、エスパーって！」

　…………はて？　荒稼ぎ？　なんで兄まで知ってるのだ？

　思わず首をかしげると兄は呆れたような顔をしてため息を吐き、お父さんはエロさ爆発させながらクツクツと笑っている。
　そして遠くで姉は現在、何故かジャンヌさんの目を手で覆い、お母さんは倒れた侍女さんを介抱していた。

「あれ？　なんか向こうは災害にでもあったみたいな？」
「そりゃ、お前のせいだわ。見てみろ、父さんがよくないものまで大放出中だ。災害は災害でもこれは人災だ。ほれ、よく見てみろ？」

　お、おぉ、後ろを振り返ったらば、なんか妙な気配のする後光みたいなものを出したお父さんがいる。
　どっかの宗教。んーと、（仮）エロス教？　の教祖様みたいだ。
　そうか、これが魅了魔法ってやつかぁ～……。
　えーっと、拝んどく？　いや、やめとく？　とりあえず姉に頼ってみる？

「あ、姉！　姉ぇ～っ！　ジップロックっ！　さっき言ってたジップロックどこぉ～っ！」
「るーちゃん、そんなのあるわけないでしょ！　あったとしても密封したらお父さんが窒息死するわっ！」

　マジか！　ないのか！　どうしよう？　どうしよ……。
　辺りをキョロキョロしながら見ているとふとお母さんが目に入った。

「んーっと……。よし、僕もあそこで侍女さんと倒れとくねっ！」
「こら、逃げんな！」

　逃げようと思ったら兄に襟首を捕まれました。
　襟首掴むのは酷いでふ。首がしまって死にそうでふよ……。
　しかし、怒った兄は怒っているのだから当たり前で怖いけどさ、お父さんはもっと、もっと、もぉ～っと、怖いんだよね。
　上の二人が唯一逆らわないのが目の前のお父さんなのです。
　そりゃお母さんも怖いけど、比じゃないの。
　なんと言うべきなのか……。
　そう、何て言うか、二人を比べたら悪いと思ってしまうレベルでねぇ……。


　いつもニコニコと穏やかなお父さんは怒るとマジ怖い。