クソゲーの異世界で俺、どうしたらいいんですか?

けいき

文字の大きさ
上 下
225 / 475
第6章 (仮)異世界で開催!超会議(嘘です)!!

しおりを挟む

「ちょっとまって! ちょっとまって! お父さん!」
「ルー、それは芸人のパクリじゃないのか?」
「ん? 芸人?」

 首をかしげているとしばらくして「グラサンに赤い服着た──あぁ、うん。なんでもないよ」と言われた。
 えっと? パクリってなんだ? 赤い服?
 不思議に思いつつ兄は誤魔化すように俺の頭を優しく撫でて話を続けるように促された。

「えーっと、そう! えーっと、お父さん。アイテムボックスみたいなもののカスタム可能って何!」
「ん? うーんと、簡単に言えば俺達は死ぬ直前の手荷物を持ち歩いてるから手元にスマホがあるんだよ。その中に勝手にインストールされたアプリがあってね? その──何て言うのかな。レストラン経営ゲームみたいな感じかなぁ~……。この一角にコンロを置いて、ここにはテーブル席みたいな?」

 いや、よくわからないし! その手のゲームは知ってるけど、アイテムボックスってゲームでよくあるインベントリみたいなものなんでしょ?
 なのになんだそれっ! しかも癒されるってなにっ!

 と、思ってわーわー喚いていたら父の説明を聞いて察したのか、兄がアイテムボックスって言うならレストランと言うよりも事務所みたいなものだろと言われた。
 何て言うか余計にわからなくなって混乱したが耳元でワンルームの部屋に事務員もしくは秘書がいて、書類棚というかアイテム保管の棚とか金庫を好きなレイアウトで置くような感じと思っておけば良いんじゃね? となげやりと言うか無理矢理と言うか強制的に終わらされたので後でちゃんと詳しく聞くことにする。
 納得はしてないけど、だとしたならお父さんがオーナーというか社長で、道具とか色んなものを秘書が管理をしてくれるってことなのかな?

 とりあえず夜にでもお父さんだけじゃなくお母さんと姉のも見せてもらおうかな……。うん、そうしよう。
 姉に関しては色々と腐ってそうだけども……。癒しには興味あります!

「それで? 親切な人に武器をもらって、城に勝手に連れてこられてからはどうしてたの? と、その前に母さんって武器は和弓なの? 胸当ては? 無いと地獄だよね……」
「あー、それね……。面白いことに武器を手にして戦うと胸当てが勝手に装備されてるんだよ。安心設計だね。確かに武器をもらったのは良いんだけど、通常はこんな風にペーパーナイフサイズ。ただ俺のはペンダントトップにするには大きいと言うか……。元の大きさで首から掛けたらアフリカ辺りのどっかの部族になりそうだから、とりあえずは胸の内ポケットに入れてるよ。それで城。城かぁ~……」

 お父さんのその話を聞いて俺は咄嗟に姉の方を見つめると彼女の胸ポケットにはボールペンのように武器である薙刀が収まっていた。
 うん、成る程ね。ある意味正解な気がする。




しおりを挟む
感想 410

あなたにおすすめの小説

若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!

古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。 そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は? *カクヨム様で先行掲載しております

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた

翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」 そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。 チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

どこにでもある話と思ったら、まさか?

きりか
BL
ストロベリームーンとニュースで言われた月夜の晩に、リストラ対象になった俺は、アルコールによって現実逃避をし、異世界転生らしきこととなったが、あまりにありきたりな展開に笑いがこみ上げてきたところ、イケメンが2人現れて…。

悩める文官のひとりごと

きりか
BL
幼い頃から憧れていた騎士団に入りたくても、小柄でひ弱なリュカ・アルマンは、学校を卒業と同時に、文官として騎士団に入団する。方向音痴なリュカは、マルーン副団長の部屋と間違え、イザーク団長の部屋に入り込む。 そこでは、惚れ薬を口にした団長がいて…。 エチシーンが書けなくて、朝チュンとなりました。 ムーンライト様にも掲載しております。 

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

【完結】記憶を失くした旦那さま

山葵
恋愛
副騎士団長として働く旦那さまが部下を庇い頭を打ってしまう。 目が覚めた時には、私との結婚生活も全て忘れていた。 彼は愛しているのはリターナだと言った。 そんな時、離縁したリターナさんが戻って来たと知らせが来る…。

処理中です...