上 下
226 / 475
第6章 (仮)異世界で開催!超会議(嘘です)!!

しおりを挟む

 俺達はそこに居た人に笑顔で手を振られて「行ってらっしゃ~い」と手を振られて見送られてね……。
 旅立つ感覚としては強い光に包まれると言うよりも、光の渦みたいなものに飲み込まれるが近いかなぁ~……。
 なんかちょっと光に溺れそうな、酔いそうな──。
 まぁ、そんな感じで目を開けたとき気分がかなり悪くてねぇ~……。

 密かに八つ当たりしちゃったよね。

「なっ!」
「えっ! 後から三人もっ!?」

 飲み込んだらしい光が消えると俺達は見たことのない建物に居た。
 床はヒンヤリとした石が張られ、天井には異国の宮殿でよくある趣味がいいのか悪いのかわからない天井絵。
 柱と床はまさに宮殿って感じの大理石っぽい感じ?

 ──うん、全てが金の無駄。

「ってかここ、ドコよ。胸くそ悪い絵がマジ最悪なんだけど……」
「あらまぁ~……。こんな石の敷かれた床に放り出されて、体が冷えちゃうじゃないねぇ~……」
「うーん? なんか周りの人の格好からしても古代でも現代でもなさそうだねぇ~……。ただ、中世でもなさそうな……」

 と会話をしていると取り繕ったように偉そうな人が慌てるようにやって来て、テンプレのような説明をしてくれた。
 まぁ、さっき一緒に居た第三王子なんだけどね。

「──えーっと、つまり? 私達はあんたらにこの国に拉致されたと言うことでオッケー?」
「拉致かぁ~……。それは犯罪だねぇ~……。国家犯罪って言うのかな? それで? ここはあえて聞きますけど、あちらには帰れるんですかね」

 俺達はもう死んでるから日本には帰れないのはわかると言うか理解はしてるんだけど、とりあえずは自分達は被害者なのだということを明確にして、少しでも優位に立つために使えるものは使う。
 それは三人がここへ来て一瞬にして一致した事実であった。

「いや、その……。済まない、この召喚は一方通行で還すことが出来ないのだ」
「あらあら、ふざけんじゃねぇですのよ? こちらの都合も考えずに呼び出してモンスターと戦えって? しかも帰れない? 何様でやがりますの?」

 口が良いんだか悪いんだかわからない母さんに愛流も便乗して、「犯罪の国に手を貸す義務はねぇですのよ!」とキッパリ言うものだから母さんもうんうん頷いて「国を出るからその為の資金としばらく……。そうだな、数年分の生活費を込みで慰謝料として貰ってやるですわ?」とぎゃんぎゃん捲し立てて言うと第三王子は髪をかけあげてため息をついた。
 俺はもちろん黙ってたよ? こう言う交渉と言うか文句と言うか、クレーム? そう言うのは俺よりも二人が得意なやつだからね。
 自分が出来ることと言ったら話が脱線しないように、訂正したり見張ることくらいだよ。




しおりを挟む
感想 410

あなたにおすすめの小説

もふもふ相棒と異世界で新生活!! 神の愛し子? そんなことは知りません!!

ありぽん
ファンタジー
[第3回次世代ファンタジーカップエントリー] 特別賞受賞 書籍化決定!! 応援くださった皆様、ありがとうございます!! 望月奏(中学1年生)は、ある日車に撥ねられそうになっていた子犬を庇い、命を落としてしまう。 そして気づけば奏の前には白く輝く玉がふわふわと浮いていて。光り輝く玉は何と神様。 神様によれば、今回奏が死んだのは、神様のせいだったらしく。 そこで奏は神様のお詫びとして、新しい世界で生きることに。 これは自分では規格外ではないと思っている奏が、規格外の力でもふもふ相棒と、 たくさんのもふもふ達と楽しく幸せに暮らす物語。

悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!

梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!? 【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】 ▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。 ▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。 ▼毎日18時投稿予定

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

もう人気者とは付き合っていられません

花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。 モテるのは当然だ。でも――。 『たまには二人だけで過ごしたい』 そう願うのは、贅沢なのだろうか。 いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。 「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。 ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。 生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。 ※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中

処理中です...