クソゲーの異世界で俺、どうしたらいいんですか?

けいき

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第6章 (仮)異世界で開催!超会議(嘘です)!!

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「とうとう来たかぁ~……」

 兄が珍しくどこかへ旅立ってました。

「兄ぃ、もしバレたら僕から離れたらダメだよ?」
「うん? ルー?」
「だって僕から離れたら兄を守れないでしょ? 絶対に離れたらダメだからね?」

 笑顔でそういうとギューッと抱き締められましたが、ゼツさんに大笑いされた。そしてシエロさんとジャンヌさんにはパパ達と同じように暖かく見守られ、ゼノさん達も微笑ましそうな顔をしていた。
 なんで? 狙われてる兄を守るのは当たり前でしょ? と不思議そうに見ていたらアンドレアさんに頭をポンポンと優しく叩くように撫でられた。

「ルカ、お前は大人になってもそのままでいてくれ」
「はぁ?」

 意味わからないんですけど?
 首をかしげていると部屋はしばらくして緊張に包まれていた。
 なんと言うかちょっと怖かったので兄に隠れるようにして腰に抱き付いてひょこっと顔を出して見つめていた。

 ──ん? 第三王子が兄をジーっと遠くから見つめている気がするのだが、後ろに控えているフード付きのマントを頭から被ってる謎の三人いや四人衆も兄を──いや、俺も含めてジーっと見ている気がする。
 いやちがうか? 一人は兄を見てる気がするなぁ~……。
 あの大きなペロペロキャンディーくれたお兄さんは確か魔法師団の団長さんだったっけ?
 その彼はジェラールさんを狙うというか既にロックオンしていて、ジェラールさんはイライラなのか恐怖を感じているのかわからないけども無表情だった。
 なんか、カオス? 混沌してないから違うか──。

「──で、そこにいる黒髪の二人は? なにやら我が最愛の弟ナイトリンガーとその幼い頃にそっくりなようだが?」

 ブラコンの目は欺けなかったか……? なんと言うべきなのかな、凄いな。ブラコンの審美眼って……。

「彼らはランドルフ伯の養子の兄弟で上の方がヤト様。下の方がルカ様と申します。ルカ様に関しては殿下の耳にも届いておられるでしょうがかなりの病弱でございまして、人と接する機会も少なく少し人見知りが──」

 とゼツさんがニコニコと綺麗な笑みして嘘を吐き出してます。
 かなりの病弱だとこの場には普通居ないんじゃないかな……。
 あ、でも不敬になるから体に鞭打ってここにいると言う設定?
 だとすると兄に抱きついているのは体を支えるためと思われてるのかな?
 おぉ! よしきた! 絶対に離れないから安心してね、兄!

「恐れ入りますが殿下。後ろに控えてらっしゃる方々はどなたでございましょうか……」

 あれ? シエロさんがスッゴク警戒をしている。

「あぁ、この四人は──あっ、こら! 何を勝手にっ! こら、アイルーっ!」

 アイルー? 某狩りゲームのお供な猫ですか? うらやま!
 そんなことを思っていたら頭の上からため息が聞こえた。

「るーちゃん!」
夜都ヤトっ! 瑠架っ!」
「るーちゃん! ヤッくん!」

 次の瞬間、俺は兄と同じくらいの年齢の女性に抱っこされ、兄も別の女性に抱き付かれ、若い男性に俺と兄は頭を撫でられていた。
 もう一人の人は何故か王子の襟首を掴んで邪魔をすると言う好プレー。
 俺の中で顔は知らんが好感度は上がった。


 えーっと、そんなことよりも? 誰っ──いえ、どなた様ですか?




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