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第5章 引っ越した報告してないけど、まぁ~いっか。
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しおりを挟む「……あれ? あ、兄~! 終わったの?」
しばらくの時が経ち、壁が消えた。
壁があったところにはなぜだか疲れきったような兄が立っていた。
うん、何て言うか言葉て表すならば、新社会人が初出勤の日に通勤ラッシュで揉みくちゃにされて社会の洗礼を受けた感じ?
まぁ、簡単に言えばさっきも言ったけども疲れきった顔をしている。
「んーと、お疲れ?」
「………………にしてはルカくん。ヤト君は絶望って言いたげな顔をしてるよ?」
ゼツさんの言うことはごもっともであった。
なんと言うか、死んだ目をしているのだ。そして本当に疲れきっていた。
何かあったのかな……。
「ルー、俺は無性に旅に出たくなった。もしくはどこかに引きこもりたい」
「んー、んじゃぁ、引きこもろう! 僕じゃなくて兄が言うんだからよっぽどって事だよね? なら引きこもろう! 湖に帰ろう!」
両手をグッと握って言うとゼノさんには「おいこら」と突っ込まれた。
だって、兄が言うのは珍しいことなんだよ? 僕は年がら年中引きこもり希望だけどさ……。
……だめなの? としょんぼりしながらゼノさんを見つめるとサッと目を反らされ、ならアンドレアさんと思って見つめたら同じだった。
なんか酷いなぁと思いつつ、最後にゼツさんを見上げたらポンポンと頭を撫でられたが笑顔で「だめ」と言われた。
本当に扱いが酷いわぁ~……。んでもって心が悲しいわぁ~……。総合的に不貞腐れたいわぁ~……。
しばらくして部屋の戸をノックされ、返事をすると晩御飯の時間になったらしい。
この部屋の全員が面倒くさがったので着替えは無しの方向になった。マジ有難い……。
久し振りの食事だわぁ~……。
ここ最近まで兄と日本スタイルの食事だったからなぁ~……。
料理、味気ない。しかもほぼ無言でつまんない。
「シエロたちは本当に食事抜きらしいな……」
「申し訳ありません。息子としては理由が理由なだけにお恥ずかしいのですが」
とゼツさんとアンドレアさんは話していてゼノさん含む俺達三人は苦笑いしていた。
だって子作りのための引きこもりだもんね……。
双子と三つ子が生まれたらジャンヌさんも一気に子沢山で満足なんじゃね?
無言だけどそう思いつつ食事を進めた。
いやぁ、本当に塩だけだと味気ないわぁ~……。
これは兄と本気でレシピ本作って浸透させねば! そしてゆくゆくは大金持ち♪
そのためには活版印刷業と製紙業をまずは発展させないといけないかな?
識字率もか……。うわぁ、面倒臭い。
そう言えば外国は製紙業が発展しなかったのか、識字率が悪いのか解らないけど日本と比べて本がスゲー高いって聞いたなぁ……。
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