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第5章 引っ越した報告してないけど、まぁ~いっか。

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 面倒なのでスクランブルエッグ、厚めに切って焼いたカリカリベーコン、茹でたソーセージ。蒸した野菜、フランスパン擬きのトースト。ジャーマンポテトもつけてあげました。
 いやぁ、朝から中々のボリューミーな食事だね!
 そして兄の面倒くさがりが発揮されてバイキング方式ですよ。
 ん? バイキング。いやいや海賊のバイキングではありません。
 食べ放題のバイキングなのですが、バイキングって本当は食べ放題の事ではなく、お店の名前が由来らしいね。
 初めて客自らが食べたいものを取り分けて、席に持っていって食べる。
 そんな新しい食事の方式を採用した店の名前らしい。
 因みにビュッフェは立食。ま、そんな豆知識的なことはこの世界では役に立たないし、役に立ったとしてもどうでも良いお話か。



   ◆



 ……にしても、アンドレアさん達は朝からよく大量に胃に運べるものだと内心感心をして、俺と兄はちょこっと変身。いや、変装をした。
 変装というのもなんか変だが、短髪のウィッグを身につけた。
 もともと銀色の綺麗な髪の色は草木染めによって薄茶色。
 俺達のそんな姿をみたアンドレアさんは無言のままにマントを頭から被されて、幌馬車に押し込められたのはなんというか解せぬ!
 兄が家などを消し、元の状態に戻してから出発。
 ルイス達は馬車馬に変身してました。

「黒髪と銀髪は目立つって言うから染めたのに……。なんか酷くないか?」
「だよね! 僕、久しぶりにルイスと遠出できると思ったのに」

 ブチブチ、ブツブツと文句を言うとアンドレアさんがため息をついた。
 俺も一緒に乗るから文句言うなと言うことなのだろうか。
 それでも俺と兄はぶつくさ文句を言っていると彼にため息を吐かれ、静かな生活と無縁になりたいなら止めないけど? と言う訳のわからないことを言われた。
「意味わかんないんですけど」
「分からないなら、分かりやすく言えば良いのか? なら遠慮なく言うけどな。お前ら揃いも揃って自分の顔に無頓着だから、ヤトはルカ。ルカはヤトをみて考えろ。そこら辺にいる男と女がお前らをどう見ると思う? 目に映らない自信はあるか? 襲われない自信はあるか? 人に囲まれない自信はあるか?」

 俺と兄は思わず向かい合ってマジマジと見つめた。
 それも頭のてっぺんから足の先までゆっくりと、そしてマジマジと……。
 兄は女の人に囲まれそう。んでもって絶対に変態色の強い男色の奴に狙われる。長く見てきた弟である俺が断言する!

「ダメーーーーっ! 兄は出ちゃダメーーーーっ!」
「いや、それを言うならお前のが危ないっての!」

 どうやらアンドレアさんの思う展開になったらしく、うんうんと頷いていた。
 そんな感じで色々と説教じみた説明(お前らは自分自身を低く見積もってるから他人がどう思うかわかっていない! 等々)をされ、大きな街へと入っていった。




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