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第5章 引っ越した報告してないけど、まぁ~いっか。
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しおりを挟む久しぶりに見るアンドレアさんは少し痩せたのか、引き締まっ……ではなく筋肉の付け方を変えたのか若干ホッソリしていた。
「招く?」
「良いんじゃないか? ほら、情報を収集するのも兼ねてさ」
確かにこの数ヵ月。まだ半年だけど世の中の流れがわからないのでそれを知るのには持ってこいかも知れない。
ピクニック中。いや、外食? 外でのランチ中ではあるが兄が壁に出入り口を作り、人を招くとゆっくりと二艘が恐る恐るやってきたなのかゆっくりとやって来た。
まぁ、手漕ぎだからゆっくりなのは当たり前か。
「なっ! ヤトにルカっ! 捜したんだぞ!」
「んー、とりあえずいらっしゃーい」
ピクニックのまま、そう言うと兄は穴を開けた壁を元に戻した。
「で? なにしに来たのぉ? 僕たち、スローライフ楽しんでるんだけど」
「ヤト、ルカ。会いたかった! 捜した……。あの日からずっと、ずっと、捜した」
…………えーっと? アンドレアさんってこんなに語彙力なかったっけ?
…………………………なかったっけ?
とりあえず話を聞くとあの日、俺と兄が出て行ってからアンドレアさんはグレン兄さんとは会っていないらしい。
なんでも会いに行っても会わせてもらえないらしく、少し不穏な関係なのだそうだ。
簡単に言えば爺……失礼。えーっとグレン兄さんのお祖父ちゃんが会わせてくれないそうだ。なのでパパに会おうとしたらコレもブロック。
中々の環境だなぁ……なんて思っていたのは仕方ない。
グレン兄さん、一人とか大丈夫かなーー。
「現状はわかったけど、なんで俺らを捜してんの? 要らない子だろ?」
「あの老夫婦にとっては、だな。俺等はお前達を欲している」
なんでそんな真剣な目で恥ずかしい告白をして来るんでしょうかねーー。
直球勝負なら受けてたつ! 打ち返してやらぁ!
なんて思ってたら兄が「え、迷惑」と無表情&やる気なしボイスでホームランを打ってました。
「じゃあ、あえて言おうか。ヤト、ルカ。ゼノの所だけ豊かにするなんてズルくないか? ラードを始めとする油脂、オリーブのお茶、ベーコン」
その言葉に俺達は無言を貫いた。面倒臭い。ただそれだけの理由だけど……。
「ほら、見てわかるでしょ? 畑あるから出掛けられないんだよねぇ……」
「ねぇ~っ! 俺達自給自足だから農家してるんだよね!」
水撒きとか色々とあるんだよ~……。そんな様々な理由を尽くアンドレアさんは論破した。畑のものなんてルカの収納に納めておけば良い。
それで俺のところに来たら中庭に畑つくって良いからと……。
家に関しても魔法で作ったんだろ? また作れば良いとか、たくさんの理由を壊された。
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