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第5章 引っ越した報告してないけど、まぁ~いっか。

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「るー……。無理?」
「ううん、大丈夫。でも、ゆっくり……。ゆっくり、ね?」

 怖い。その質量が体に入るなんて怖い。でも期待に思わず喉が鳴る。
 笑みはあるけどどうにも余裕のない様子で兄がぐぐっと中に入り込んで来た。
 その途端に襲ってきた圧迫感に思わず呻くが、それもすぐに快感に変わる。

「は…っ、はぁ~……、はぁ~……っ」

 まるでテレビで見た出産直前のような息だと思った。頭のどこかでそう思っても止められずに、また荒い息を吐き出す。

 苦しい。痛い。苦しいーー。

 目の前の兄だって同じようなものだ。賢者の様に凪いでいた目がいつになくギラついた目をして、絶えず荒い息を吐き出している。
 このギラついた目は男の目と言うのだろうかーー。

「……っ!」

 苦しそうな兄の顔を見たのがいけなかったのか、目が合った瞬間に唇に食いついてきた。一瞬、噛みつかれるかと思ったのは仕方ないことだと思う。
 勢いが良すぎて後ろのベッドフレームと言うのだろうか。ベッドの頭の部分にゴン、と頭をぶつけた。
 しかしぶつけた頭の痛みはあまり気にならず、すぐに差し込まれた舌に夢中で自分の舌を絡めた。
 その間も兄はぐいぐいと腰を押し込んできてその度に体が震える。

「ん、はっ……は、あっ! 兄ぃ、んっ、もぉ、もぉっーー。全部いれてっ」

 げ、ん、か、いっ! そう、もう限界なのです。
 痛みはもう我慢する。我慢するから早く……。そう訴えると兄はゴクリと喉を鳴らし、宥めるようにキスをすると腰を掴んでグググッと押し入ってきた。

「あっ、あぁっ!」

 本能でこれはヤバイと思う。壊れる。体がバラバラにされそうなーー。
 気を失いかけ、ヘニャリと全ての力が抜けると一気に奥へ兄が到達した。

「っあ!!」
「るーの小さい体に全部入ったよ。頑張ったな」

 兄は動くこともせず、体が慣れるまで待ってくれるみたいで俺を甘やかしてくれた。キスをしたり、腰を撫でたり、尻を揉んだり……。
 あれ? 甘やかしじゃないみたいだわ、コレ……。
 でも……このお腹の中に兄が……。思わずお腹を撫でる。

「ーーっ、るー、中すげぇ……。熱くて気持ちいい」

 うっとりとしたようなその声が耳の中に響く。
 体が痛くて、でもそれ以上に熱い。体の中で溜まっていく熱を吐き出したくて、その欲求だけに従って「も、大丈夫だよ」と言うと兄はゆっくりと腰を振った。
 下半身からはグチグチという音が先程の指の時よりも大きく響き、音に惹かれるように視線を下げれば中に出し入れされるモノが目に入った。

 うわ、凄い。

「るー、どこ、見てんだ?」

 顎の下に手を回されて顔を上に向けられると、覗き込んでくる兄と目が合う。
 その目は未だに獣のような目をしていて、ゾクリと背中に何かが走った。

「…ん、んんっ」

 また唇が重なり、舌を絡め取られ、なのに先程よりも強く中を突かれる。
 もう、どこを擦られても気持ちよくて、頭の中が真っ白になっていった。




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