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第4章 街道は続くよ何処までも

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「いや、でもね? 問題はヤトなんだよ。その色味がね?」

 あー、そう言えばえーっと、フォーリス魔法公国(笑)の王族カラーなんだっけ?
 髪の毛は銀色か白に近い金色。瞳は琥珀から金色。
 兄は銀髪に金目と言うなんか中二病ーー失礼? えーっと格好いい色味をしておりますものね……。

 ぶふっ! ヤバい中二病に笑いが堪えられない。

 俺が急に笑うのを我慢していると理由がわからないにしても嫌な感じがしたのかデコピンされました。
 地味に痛いのです。でもやっぱり中二病は笑ってしまう。
 絶対にゲームのアバターで作られる典型でしょ!
 銀髪に赤目とか金目とか紫目とかさ~……。

「なるほど。パパさん、髪の毛切るの上手な人知り合いにいないかな」
「ん? もしかしてその綺麗な髪を切るのですか?」

 ジェラールさんの言葉に兄はコクリと頷いていた。
 まぁ、勿体ないよね、わかります。

「るーにも秘密にしてたけど、俺、一回だけ。この人生で一度だけ髪の色を黒髪に戻せるんだよね。この世界に転生した特典みたいなものなんだけど」
「でもヤト、長い髪が勿体ないじゃないか。やめなさい!」
「あぁ、パパさん。大丈夫だよ。この髪はカツラを作るために伸ばしてたからこれくらいあれば十分足りる」

 なるほどね! 髪を短くしてから色を黒くして、銀髪が必要な時はカツラを被る予定だったのか。
 兄ったら計画的~っ♪ さすが兄!

 ねぇ、辞書るー? カツラって髪の毛あれば作れるものなの?

【ん? あぁ、お兄さんの髪を今の髪型のカツラにってこと?】

 うん、そう!

【それは無理だねぇ。髪型までは再現できないかな。イメージでいうと呪いのビデオみたいな前髪も長い状態なら出来なくはないと思うよ?】

 じゃあ、例えばね?前髪は長い髪を3等分した長さで作るとかは可能?

【それくらいなら多少ガタガタでも良いなら作れるよ?】

 じゃあ、髪の毛を手に入れたら頼めるかな。

 いい返事が聞けたので俺は兄の髪を手に持った。

「兄~っ! 髪切ったら貰っていい? カツラ作れるかもしれない」
「ん、それなら任せたわ……。カットは俺がやるから」
「らじゃ!」

 兄は手持ちのゴムでしっかりと結ぶとパパ達の制止を聞かずにナイフでザクッと切り落とした。

 髪を受けとるとム・ゲンさんに預けた。
 脳内では辞書るがいつものように指示をしてます。
 今日も某高校生対象のクイズ番組みたいなノリなので賑やかですよ。

「るー、ちょっと手伝って」
「はーい! 鏡を持てばいい?」
「んにゃ、ママさんの三面鏡と姿見を出して? 久し振りに自分で切るから後ろが少し心配なだけ」

 そんな話をしていると苦笑いのゼノさんが近くにやって来た。

「ヤト、とりあえず大雑把に整えるくらいまでは俺がやるから指示くれるか?」
「大丈夫ですよ、ヤト。私とアンドレアの髪を切ってるのはゼノですからね……。誰よりも安心感はありますよ?」

 なんとゼノさんは美容師見習いでした。
 兄はホッとしつつ大まかな指示をして、生前の髪型に似せてきました。




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