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第4章 街道は続くよ何処までも

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「母上。明らかにデザートなのに最初に食べたのは貴女でしょう! 人のものを奪おうとするんじゃありません!」
「でも! でも!」
「でもじゃありません! ローラ、モニカ。今日の昼もしくは夜にでも母上にドレスを着させてあげてください。少し現実を見た方がいいでしょう」

 あー、グレン兄さんに遠回しに「あんた太ったの気付いてないの?」と言われてますね……。
 パパをちらりと見るとパパは苦笑いしていた。

「なんかさ、ドレスじゃなくてもコルセットだけ着けさせれば良いんじゃね?」
「一体型のワンピースとかあれば良いと思う」

 俺達の会話を聞いていたグレン兄さんが笑顔でローラ達にドレスは邪魔なのでコルセットだけ着けてあげてくださいと言うとローラとモニカはコクコクと壊れた人形のように無言で何度も頷いていた。
 顔が見えなかったけれどもグレン兄さんの顔が相当厳しい顔をしていたと思われる。

 朝からママもやらかしてくれるなぁ……と思っていればママが泣きそうな顔して俺達のところにやって来た。
 あぁ、リンゴが目当てか……。懲りないね……。

「ルカちゃーん」
「だめ」

 キッパリ言うとうそ泣きを始めたのでため息をつきながら紅茶を飲んだ。

「どうしてなの!」
「…………ねぇ、ママ。本気で気付いてないの? そのワンピース、ぱつぱつだよ? ゆとりはどこにいったの?」

 俺が容赦なくウェスト付近の服を摘まむにも余裕があまりなかった。

「あのね、馬車の旅がツラくなるからワンピースと言ったけど、着れなくなったらどうするつもり? 裸で過ごすの?」
「えっ!」

 いやいや、なにその初耳! みたいな顔は……。
 自分で気がついて? 自己管理お願いしますよ……。

 俺はため息をつくとママは真っ青な顔をしていた。

「モ……モニカ……。モニカ、私、そうなの?」

 その言葉に聞かれたモニカも悲しそうな顔をして静かに頷いていた。
 あぁ、わかっていたけど言えなかったんだ……。

「ママさん、馬車の旅はさ? 運動をしてないのよ。食事の量とか色々気を付けないと体につく肉が増えるだけだからね……。自分でセーブとかしていかないとあっという間に着れる服がなくなるよ? 只でさえ町には立ち寄らないんだから……」

 兄は優しく言ったが正直に言えば心を抉ってます。
 現在のママは気絶寸前です。

「グレン、ヤト、ルカ。ちょっと言い過ぎだよ?」

 苦笑いをしてパパがやって来た。

「父上が甘やかしすぎなのでは?」
「個人の意見で言えば別にママさんがぽっちゃり卒業してデブに進化しても構いませんけどパパさんが困るだけだと思うよ?」
「ねぇ、パパ。僕、運動不足だからモンスターと戦いたい」

 俺の言葉でママが気絶しました。
 あれ? 兄の言葉が辛辣だったから言うの止めたのに……。




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