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第3章 事前の準備は必須です
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しおりを挟むグレン兄さんにゼノさんとアンドレアさん。そして兄が先頭で騎乗している。
強いて言えばもうかなり先へと進んでいて見開通のトンネルを完全に開通させるのだろう。
そして兄以外の3人がモンスターや人などのチェックをした後に兄が野営するための拠点となる壁を作る事になっている。
ソレとは逆に俺は最後尾でパパと一緒に俺の愛馬であるルイスと共に前方の馬車達が先へ進むのを待っていた。
パパは俺の護衛としていて、俺はトンネルを塞ぐために最後尾にいる。
ただトンネルを壊すのはさすがに苦労した分、愛着というか壊したくないので土や石をトンネルのなかに押し込む感じにした。取り払えばすぐに使える状態。
やっぱり一から作ったトンネルを壊すのはやっぱり勿体ないでしょ?
しかもこの不確定なゲームの世界はエンディングの後。つまりは未来に何が起こるか俺や兄もわからないし、土をどうにかすれば使えるようにしておきたい。
ソレをパパに言うとルカの好きにしたらいいよと言ってくれた。
まぁ、兄は自分で繋げた元辺境伯のタウンハウスからのトンネルは即壊しましたけどね?
俺と違って短時間で作ったから愛着はないらしい。
馬車がノロノロと進み始めると俺はふと頭上を見つめた。
思い出に浸ることが出来るほどそんなに長く暮らしてないけど、いざ旅立つ時はなかなか寂しいものなんだなぁ……。
「ルカ。お庭の植物ねぇ、ヤトがたぶん置いていくとルカが泣くと思うから全部連れていくって言ったんだよ……。やっぱりヤトはルカのお兄ちゃんなんだねぇ……」
お庭の木、全部? 置き去りにされた子は居ないの? 本当に?
「ふえっ」
「あぁ、もう……すぐに泣かないの。ルカは男の子だろう? あぁ、もしかしておうちを持ってこれなくて泣いてるのかな?」
その言葉に頷くとパパに呆れられた顔をした。
「家を消したらアイツが逃げても追ってくるからやめようね」
…………確かに……。
色々手を加えていたから愛着が凄いけど仕方ないよね……。
あの王様が見逃すわけがない。
「えへへ、パパがいてくれてよかった♪」
「うん、パパもいて良かったと心底思うよ……」
【まさか家まで持っていこうと思ってるとは思わなかったからね……と言葉は続くーー】
辞書るが最近苛めっ子な気がする件についてーー。
【ボク、苛メテナンカイナイヨー。本当ノ事ヲ言ッタマデダヨー】
棒読みもしくは片言なんですけどっ!?
ソレからの時間はパパと話をしながら進み、トンネルを抜ける手前で兄達が待ち構え、馬車から人を下ろして荷台は収納し、馬を引き歩きながら坂を上っているようです。
綺麗に左右で馬達が分かれていました。
実はランドルフ領地の馬は白か黒。つまりは葦毛と青毛の馬なのに対し、ガルシア領地の馬は茶色の栗毛の子達なのです。
パパの馬も俺のルイスもちゃんと空いているところに停めてあげると兄はトンネルを消して元の状態に戻してしまったので勿体ないなぁと思ってみていたらデコピンされました。
「元に戻さないとこの場所だけ違和感が残るだろ?」
「わかってる……。ただ、やっぱり勿体ないなぁって思っちゃっただけだもん……」
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