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第3章 事前の準備は必須です
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しおりを挟む「じゃあ、人員は揃ったことだし明日の夜にでも出発しようか」
食事中、パパが言いました。
早すぎじゃね? 早く行動するのはいいけどさ、早すぎない?
人が増えるなら増えるで俺ももっと色々と準備したいんだよ?
「「はんたーい」」
俺と兄は軽く手を上げるとパパは理由を聞いてきた。
「今日明日でこの家の物が片付くとは思えないから」
「同意。あと、連れてきた馬を慣れさせないと……」
連れてきた馬は地下牢に入れてるのです。
藁も敷いたから少し落ち着いてくれるといいのですがね……。
「せめて5日は欲しいかな。主に最低限トイレに関するクリーンとか取得してもらいたいし……。」
「あぁ、ソレもそうか……。うーん、でもねぇ……」
「妥協して明後日。魔法はパパやグレン兄さん達が何とかして! 僕と兄は忙しい。ヨハンとローラは中心になって家の物を片付けて!」
そう言うと俺と兄が同時に立ち上がった。
「兄、あと何種類作れば旅は充実するかな……」
「そうだなぁ……。ひぃ、ふぅ、みぃ……」
制止の言葉も聞かずに俺達が出ていくとヨハンたちもバタバタと忙しくなったようだ。
基本的に弾丸で帰るので街に寄り道する気はない。
素通りして土の壁のなかで寝泊まりする予定なのだ。
イメージは平屋のカプセルホテル。
ベッドを置いて、壁、ベッドを置いて、壁、一応計算して人に寝顔は見られないようにするけど、ドアはないから完全には個室にならないけどね。
詳しく言えば男女で壁で分けるよ。もちろんね。
それで中央にはパパや俺たち、貴族と言われる人で纏まる予定。
中央に固まる感じかな? もちろん個室と言うかドア無しの密室。
ほら、グレン兄さんと兄は美人さんだから襲われたら嫌でしょ?
あと問題がひとつあって、目覚ましなんだけどねぇ……。
兄ったら酷いのよ。実はですね? なんとスマホがありまして……。
通話とかメールとかネット関連はなにも出来ないんだけれど、魔力で充電が出来て、曲も聞けて、時計の時刻はあってるらしい。
だから目覚まし時計として使えることが判明。
ーーてか、城で目覚まし時計として使ってたとかズルくない?
ある種のチートだよね!
でもこれで薄暗い内から行動が可能になるから良しとしよう。
「ミニキッチンに行ったら作戦会議だな」
そしてたどり着くと兄は魔法で壁を作り、俺はム・ゲンさんのリストを見ていた。
まずノーマルとハーブ入りパンのサンドイッチが5種類ずつ。
「サンドイッチは昼御飯だよね……」
「夜じゃね? 暗くなったらすぐ食べて、寝て、薄暗いうちから行動しないといけないから軽いものの方が負担にならない。現に今の食生活もそうだろ? 日本の時みたいに夜にガッツリではないんだからそろそろ慣れろ?」
「あー、そうだった……。夜は少なくて朝と昼がガッツリだったね……。と言うことは夜ご飯が日本の朝御飯と思えばいいのかな?」
俺は紙にすらすらと用意した料理を書いていった。
「2つしかないおにぎりの具を増やす。あとは味噌汁も種類増やすか……」
とは言ってもおにぎりの具になりそうなのはあまりないのよな……。
海がないこの国で珍しく鮭とか魚が売ってた(高かったらしい)から少しだけ買って貰っただけで……。
入れられそうなのってしょうが焼きとか焼き肉、唐揚げしかないんだよね。
それはそれで喜ばれるのかな?
「るー、あのな? お前のところにはまだ届いてないか?」
「ん? 何が?」
「父さんと母さん、愛流。ソレ以外に祖父ちゃんや伯父さんとかのお供え物……。もちろん死ぬ直前までからの俺の物も……」
兄は急に遠い目をしていた。
兄やお父さんはともかく、姉とお母さんの供え物が一番怖い気がするはどうしてだろう?
「来てない……けど? ほら、僕はここの世界に来たばかりだし……」
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