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第3章 事前の準備は必須です

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 夜中、二度も寝てしまった俺は全く眠れずにベッドで兄の複写してくれた図鑑を見てました。

 さすがにお腹が空いたので兄の持ち込んだカ○リーメ○トのメープル味と紅茶で頂きました。
 仄かな懐かしい甘味と風味。
 紅茶の水分で胃の中で膨れたのか少しお腹は空いてるけれども満足です。

 そう言えば夜と言えば……。
 そう! 夜と言えば夜の営みって女の人苦痛はないのかな……。

 男同士だとどっちかの精液が潤滑油の代わりに…………。
 あれ? この世界にグリセリンとかあったっけ?
 あ、そうだ。馬油がつかえるんじゃないか?
 でも馬油の匂いが苦手な人もいるだろうし、そんな人用に無香料とか香りつきとかあったら絶対に良いよね……。

 ………………って、いかんいかん! 止めておこう。

 何せ今日の俺は厄日だし。
 明日は絶好調とは限らないし、大人しくしておくのが吉。

 夜中のせいで変なテンションになったため、考えるのをやめて図鑑に意識を戻した。

 へぇ、結構各地に見知った植物が分布されてるんだなぁ……。
 あ、行者ニンニクなんてあるんだ……。

 欲しいけどやっぱり匂いがキツいからなぁ……。
 うっかり忘れてて新たに作ったクリーン(歯磨き)で口の中も綺麗になるけど食べたものの胃から上がってくる匂い対策がなぁ……。
 ほら、ブレスケア商品…………あ、俺、フ○スク持ってたわ……。

 いや、いや、普及させるには技術が高過ぎる!

 ハーブのエキスでマウスウォッシュ?
 うーん、それに関しては作れないこともないけど……。
 作るにしたってなぁ……。どうやって浸透させていくの?
 …………あ、ランドルフ領地で採れる作物コーナーだ……。

 うっわぁ~……やっべぇ! マジで夢が広がる……。
 なにここ、天国ですか?

 食い入るように図鑑を見つめた。

「ランドルフ領地で早く暮らしたいなぁ~っ!」

 まさかのオリーブがランドルフ領地で見つかるとは……。
 王都よりも北側にあるから寒いのかと思ってたんだけど、もしかして暖かいのかな……?
 南半球のイメージでいればいいのかな……。

 よし! 地図だと北に位置してるけど気温はイタリア辺りを想定しておこう!

 確かオリーブは二種類以上を近くで栽培した方が実りが多いんだっけ?
 ギリシャのコロネイキっていう高級オイル抽出品種がほしいなぁ……。
 高級品質のオイルだから貴族相手にぼったくれるよね!
 あと、塩漬け用の品種らしいんだけどオイル用としても高品質なオリーブオイルを生産する大型果実品種のカラマタ。

 あー、夢が膨らむ~っ! 絶対に探そう!!



   ◆



 チュン、チュン、チュチュチュン……。

「…………マジかぁ~……」

 変な時間に二回も寝たから一睡もできなかった……。

 起きて鏡を見るとどんよりとした顔。
 いかにも顔色というか体調、具合の悪そうな俺がいる。
 そんなときにミリアムがやって来た。

「ルカ様、おはようございます。今日は随分と早お、きで…………き……」
「き?」
「きゃぁーーーーーーーーっ!!」

 なぜ悲鳴をあげるのっ!
 あぁっ! 遠くからバタバタと大人数の足音が聞こえるじゃないか。

 バターーーーンッ!

「ルカっ!」
「ルカちゃんっ!」
「「ルカ様っ!」」

 あー、俺、本日終了のお知らせです。

 厄日2日目決定っ!!




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