94 / 475
第3章 事前の準備は必須です
8
しおりを挟む夜中、二度も寝てしまった俺は全く眠れずにベッドで兄の複写してくれた図鑑を見てました。
さすがにお腹が空いたので兄の持ち込んだカ○リーメ○トのメープル味と紅茶で頂きました。
仄かな懐かしい甘味と風味。
紅茶の水分で胃の中で膨れたのか少しお腹は空いてるけれども満足です。
そう言えば夜と言えば……。
そう! 夜と言えば夜の営みって女の人苦痛はないのかな……。
男同士だとどっちかの精液が潤滑油の代わりに…………。
あれ? この世界にグリセリンとかあったっけ?
あ、そうだ。馬油がつかえるんじゃないか?
でも馬油の匂いが苦手な人もいるだろうし、そんな人用に無香料とか香りつきとかあったら絶対に良いよね……。
………………って、いかんいかん! 止めておこう。
何せ今日の俺は厄日だし。
明日は絶好調とは限らないし、大人しくしておくのが吉。
夜中のせいで変なテンションになったため、考えるのをやめて図鑑に意識を戻した。
へぇ、結構各地に見知った植物が分布されてるんだなぁ……。
あ、行者ニンニクなんてあるんだ……。
欲しいけどやっぱり匂いがキツいからなぁ……。
うっかり忘れてて新たに作ったクリーン(歯磨き)で口の中も綺麗になるけど食べたものの胃から上がってくる匂い対策がなぁ……。
ほら、ブレスケア商品…………あ、俺、フ○スク持ってたわ……。
いや、いや、普及させるには技術が高過ぎる!
ハーブのエキスでマウスウォッシュ?
うーん、それに関しては作れないこともないけど……。
作るにしたってなぁ……。どうやって浸透させていくの?
…………あ、ランドルフ領地で採れる作物コーナーだ……。
うっわぁ~……やっべぇ! マジで夢が広がる……。
なにここ、天国ですか?
食い入るように図鑑を見つめた。
「ランドルフ領地で早く暮らしたいなぁ~っ!」
まさかのオリーブがランドルフ領地で見つかるとは……。
王都よりも北側にあるから寒いのかと思ってたんだけど、もしかして暖かいのかな……?
南半球のイメージでいればいいのかな……。
よし! 地図だと北に位置してるけど気温はイタリア辺りを想定しておこう!
確かオリーブは二種類以上を近くで栽培した方が実りが多いんだっけ?
ギリシャのコロネイキっていう高級オイル抽出品種がほしいなぁ……。
高級品質のオイルだから貴族相手にぼったくれるよね!
あと、塩漬け用の品種らしいんだけどオイル用としても高品質なオリーブオイルを生産する大型果実品種のカラマタ。
あー、夢が膨らむ~っ! 絶対に探そう!!
◆
チュン、チュン、チュチュチュン……。
「…………マジかぁ~……」
変な時間に二回も寝たから一睡もできなかった……。
起きて鏡を見るとどんよりとした顔。
いかにも顔色というか体調、具合の悪そうな俺がいる。
そんなときにミリアムがやって来た。
「ルカ様、おはようございます。今日は随分と早お、きで…………き……」
「き?」
「きゃぁーーーーーーーーっ!!」
なぜ悲鳴をあげるのっ!
あぁっ! 遠くからバタバタと大人数の足音が聞こえるじゃないか。
バターーーーンッ!
「ルカっ!」
「ルカちゃんっ!」
「「ルカ様っ!」」
あー、俺、本日終了のお知らせです。
厄日2日目決定っ!!
24
お気に入りに追加
3,560
あなたにおすすめの小説
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
もふもふ相棒と異世界で新生活!! 神の愛し子? そんなことは知りません!!
ありぽん
ファンタジー
[第3回次世代ファンタジーカップエントリー]
特別賞受賞 書籍化決定!!
応援くださった皆様、ありがとうございます!!
望月奏(中学1年生)は、ある日車に撥ねられそうになっていた子犬を庇い、命を落としてしまう。
そして気づけば奏の前には白く輝く玉がふわふわと浮いていて。光り輝く玉は何と神様。
神様によれば、今回奏が死んだのは、神様のせいだったらしく。
そこで奏は神様のお詫びとして、新しい世界で生きることに。
これは自分では規格外ではないと思っている奏が、規格外の力でもふもふ相棒と、
たくさんのもふもふ達と楽しく幸せに暮らす物語。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】別れ……ますよね?
325号室の住人
BL
☆全3話、完結済
僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。
ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる