クソゲーの異世界で俺、どうしたらいいんですか?

けいき

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第2章 新生活スタート

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「…………でもぉ、冬は一年の中でもモンスターが弱体化をする季節なんでしょ~?」
「弱体してもあそこの森のは強いものは強いんです! 父上が五人いたのが一人減るくらいしか変わらないんです! やめなさい!」

 二割減るならお得じゃんか!
 お得と言うよりもチャンスっていうの?
 20%オフならやらなきゃ、行かなきゃ損でしょ?
 そんなことをワーワー言えば思いきりため息をつかれた。

「とりあえず聞きましょうか? 森で何をしたいんですか?」
「あのね! ハーブとか色んなのを採取するのっ!」
「またですかぁ~っ? 東の森でもたくさん採ったのでしょう? ゼノがあの日の夜に本気で嘆いてましたよ?」
「嘆っ!? で、でも東と西は同じものが生息してるって兄さんは断言できるのっ!? 違うものは無いとハッキリ言えるのっ!? 僕は違うものがほしいのっ!」

 ブーブーと文句を言いつつ、東の森の時みたいに喧嘩をし始めると今日はパパが止めてくれました。

「こらこら二人とも、やめなさい。ルカ? とりあえず聞くけれど東の森には何があったのかな?」
「えっとねぇ、僕が住んでた世界にもある植物でセイヨウってつくものばかりが揃ってたよ? この家の裏庭にあるセイヨウイラクサ。通称ネトルって呼んでるものも勿論あったよ?」
『東の森にセイヨウ……』

 それだけで皆は更にドン引きしていた。
 何でか東洋と西洋はこの世界でも普通に使われる言葉なんだよね……。
 この国の遥か東の海の先に異国情緒たっぷりの国があってそこら辺周辺国を東洋と言うらしい。

「パパァ~……だめぇ?」
「ルカ、あのね? 本当に冗談ではなく、冬とはいえ西の森は危険なんだよ……」
「じゃぁ、パパと兄さんが一緒にいればいい?」
「ルカ。毎日行くんじゃないのですよね? 一日だけですよね?」

 グレン兄さんが釘を刺してきました。
 ぐぬぬぬぬ! 広大な森の探検と採取を一日で終わらせようとして来ました。

「………………」
「無言の抵抗ですか……」
「あんなに広い森のに一日だけとか酷いっ!」

 ぷくっと頬を膨らますと何故かパパが膨らました俺の頬を思いきり潰しました。

「ぶっ! うぅ……パパ、酷いっ!」
「あははは! あはっ、あははは! 可愛い。可愛いよ、ルカ……」

 爆笑してますが、俺とグレン兄さんは置いてきぼりなのです。

「よし、明日は天気がいいみたいだから行ってみようか……。無理そうだったらすぐに引き換えそうね」
「わぁーい!」
「父上! どんなに危険か父上だってわかってるでしょうっ!?」

 パパのお許しが出たことにより、グレン兄さんの不服申し立てがありましたが軽くいなされグレン兄さんも一緒に参加になりました。

 やったぁ~っ! 安心して採取が出来る!

「ルカ、でもその代わり……」




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